川越周遊パート2

 昨日もまた妻が午前中から散歩に行こうと行って来た。

 ご近所の散歩にしようかと思ったのだが、火曜日に行った川越小江戸に連れて行くのもいいかと思い、車椅子を押して出かけることにした。

 川後はだいたいいつも車で行く。駐車場のこともあるので小江戸の方にはほとんど行ったことがない。JR川越駅近辺の市営駐車場に止めてクレアモールで買い物したりとかその程度である。一度だけ短時間小江戸の駐車場に止めて、札の辻とか時の鐘のあたりを少しだけ回ったことがある。

 火曜日に一人で小江戸のあたりを歩いてみた感じでは、車椅子を押しても十分回れるのではと思った。まあ疲れたらすぐに帰ればいいだけのことだ。

 最寄り駅から電車に乗って川越市駅で降りる。電車も数駅なのでさほどストレスを感じることはない。最寄り駅で乗り降りのアシストが必要かと聞かれたので、丁重にお断りをする。ホームと電車の間の隙間がさほど離れていなければ、普通に乗り降りは出来る。記憶でいえば飯田橋のホームはけっこうしんどかったなとかいろいろなことを思い出す。

 川越市駅のあたりは、子どもがこの近辺の学校に通っていたので諸々思い出もある。入学式、授業参観、進路指導、学祭などなど、何度も来ている。ほんの5~6年前のことなのにずいぶんと昔のことのような気もする。

 駅からは西武線本川越の駅の方向に歩く。しかし川越というのは本当にやっかいなところだ。JRと東武東上線川越駅西武線本川越駅、そして東武東上線川越市駅の至近に三駅がある。川越駅本川越駅の間が徒歩で10~15分くらい、本川越駅川越市駅の間が徒歩で同じく10~15分くらいである。そして観光地でも小江戸の蔵造りの町並みや市役所までは本川越から徒歩で15分~20分くらい。川越、川越市はもう少しかかる。なんで一緒にしなかったのかとこれは埼玉に越してきてからずっと思っている。

 川越市から本川越を目指してきて右手に本川越の駅ビルペペを見つつ左に逸れる。そこから連雀町の交差点を右にそれるとすぐに観光地化した道路に出る。大正浪漫通りというらしい。入ってすぐのところに熊野神社があるので軽く観光する。

 それから大正浪漫通りをまっすぐ行けば突き当りに山崎美術館があり、蔵造りの町並みにぶちあたる。まあそんな感じだ。

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 蔵造りの町並みをまっすぐ進んで札の辻に出てそこを左にそれて少し行くと菓子屋横丁である。このへんも火曜日に一人で歩いた。まあ結局、火曜日のそれは妻を連れて来るときの予行練習みたいな感じだったということだ。

 人出はさすがに緊急事態明けの土曜日ということもあり、そこそこに多いようだ。ただし以前、車で通った時のこの通りの人出はえらいこと多かったので、それを思うとまだまだというところか。じょじょに人出もこれから増えていくのかもしれない。

 菓子屋横丁もまあ小ぶりな通りである。なんということもない。若い人たちは団子やらソフトやらを買っては写真を撮ったり楽しそうにしている。インスタ映えというやつかもしれない。こちらはまあこれからけっこうハードに歩くということもあるので、ややセーブして特に御菓子を買ったりということもしない。

菓子屋横丁 | (公社)小江戸川越観光協会

 それからまた札の辻に戻って最初に入ったのは川越まつり会館。

川越まつり会館

 ここでは川越まつりの紹介と実際にまつりに出る山車が2台展示してある。館内では川越まつりを紹介する映像とその後でボランティの方から山車の説明とかを受ける。けっこう山車の説明は面白いのと、外がけっこう暑かったこと、館内はエアコンが効いているので、お休みがてらの見学ということでちょうどいいかもしれない。ちなみに外の喧噪に比して、館内は見学者も少なくてのんびりしていられる。これで入場料300円はラッキーかもしれない。

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 山車は昇降式になっているとか、山車の中には人形が載る部分が360度に回るとか、山車自体にはハンドルやブレーキはなく、方向転換はいちいちバールという器具を使うとかけっこう細かい点が面白かった。

 川越まつり自体はコロナで昨年に続き今年も中止なのだという。こういう古典芸能に近いものは様々なノウハウが伝承されていくものなので、まつりが中止になるとけっこうそのへんが断絶しかねないところがある。来年は完全にコロナが終息して3年ぶりに開催されればと素直に思った。

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 その後は和菓子の亀屋で亀の形をしたどら焼きと芋シューなるものを食す。亀屋は創業230年有という老舗中の老舗の菓子屋さん。橋本雅邦の作品を多数展示している山崎美術館も亀屋が運営している。

会社案内|埼玉県川越市の株式会社龜屋

 まあ亀ドラよりは山崎美術館ででてきた最中のほうが数段美味しかったが、それは妻には黙っていることにした。

 それからお約束的に火曜日にも行った時の鐘に。

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時の鐘 | (公社)小江戸川越観光協会

時の鐘 (川越市) - Wikipedia

 もともと17世紀に建設され、度重なる火災消失により現在のものは1893年に再建されたもの。さらに2015年から2017年にかけて大規模な耐震工事が行われているという。たかが鐘楼、されど鐘楼というか、なかなかに歴史があるモニュメントという訳だ。

 

 それから道をそれて松江町方面に行く。蔵造りの町並みや氷川神社、市立美術館、博物館とは逆方向になるが、市内で最も大きな寺社である喜多院に向かうことにする。このあたりでも歩行距離としてはけっこう来ている感じだ。

 喜多院には松江町の交差点を左折すれば喜多院入り口に行くのだが曲がり損ねて通町の交差点まで行ってしまう。まつり会館で入手した観光ガイドを見てこっちかなとかやっていると、妻は妻でGoogleマップを見ながら「こっちじゃない」みたいに言う。余裕があるときはスルーするのだが、暑いのとちょっと押していて疲れても来たので無視する。

 通町の交差点を左に曲がると、遠目に林というか木が生い茂った一角が見えてくるので、多分そのへんかと思いながら歩く。行き過ぎたこともあり、喜多院よりも先にその一角にある東照宮を先に発見する。

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川越八幡宮|日本三大東照宮・仙波東照宮

仙波東照宮 - Wikipedia

 東照宮徳川家康を神格化させるために徳川幕府が建てた神社で全国に700あまり建立されたのだとか。その中でも家康が葬られた久能山にある久能山東照宮日光東照宮が有名であり、それにもう一つを加えて三大東照宮と称するのだとか。川越の仙波東照宮も三大東照宮と自称しているが、他にも岡崎市にある滝山東照宮も三大東照宮を称している。その他にも規模等から上野東照宮を加える説もあるのだとか。

 まあこのへんはかってに三大厄除け大師を自称して成功した佐野厄除け大師の例もあるので、自称、他称所説あるとはいえ、とりあえずスルーしたほうがいいかもしれない。仙波東照宮の拝殿には岩佐又兵衛の『三十六歌仙絵額』があるのだとか。どういう時期に観ることができるのかわからないけれど、機会があれば観てみたいと思う。

 

 そして東照宮と境内が繋がっているのが喜多院である。

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川越大師 喜多院

喜多院 - Wikipedia

 もともとは天台宗の寺として830年に建立されたという。平安時代のことだ。とはいえ喜多院といえば、やはり徳川家との絡みであり、徳川家との関係が深かった天海僧正が住職となってからは徳川家の厚い支援を受けて大きくなったという。特に三代将軍家光やその乳母であった春日局などとの関係も深いという。ひょっとして喜多院には家光の例のヘタウマな絵が残されているのではないかと、最近仕入れた知識的にはちょっと興味がわくがそういう話はなさそうだ。

 なんとなく川越の小江戸情緒というか、観光名所は割と規模的には小ぶりなものが多いのだが、喜多院についてはけっこうデカいというか規模感がある。今回は五百羅漢とかを見なかったけれど、機会があったら見に来たいと思う。紅葉の時期とかも良さそうらしいし。

 

 喜多院から今度は本丸へと向かうことにする。このへんはけっこう歩くのだが、住宅街を歩いているのでいっこうに距離感がつかめない。途中で浮嶋神社の前を通るも、まあ普通の神社という感じ、しかも民家に囲まれているのであまり興味を覚えない。それからこの沿線では一番賢い男の子たちが通うという川越高校の前を通る。ふ~ん、こんなところにあるんだというくらいに渋滞地の中にある。

 そして県道39号線まで出れば道路向こうには市立美術館、博物館、そして手前側には本丸御殿と城址跡、さらに初雁球場がある。まあ本丸御殿はというとさほど規模感もなく、中に入って見学も出来るのだが車椅子で入るためにはスロープを出してもらう必要がある。さらに館内では室内用の車椅子に乗り換えるとか、けっこう面倒っぽかったので今回はパスする。こういうのって、けっこうバリアフリーとかに考慮している寺社では割と多くて、京都の三十三間堂とかも車椅子乗り換えるようになっていたのを思い出した。

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 本丸のすぐ後ろには三芳野神社がある。どこということもない普通の神社なのだが、なんでも童謡「とおりゃんせ」の発祥の地なのだとか。

三芳野神社/川越市

三芳野神社 - Wikipedia

 とはいえこれも所説あって、小田原の山角天神社、国府津の菅原神社もそれぞれ発祥の地としている。まあいわゆる一つの本家とか元祖とかそのての類みたいなものだろうか。

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 それから川沿いを少し歩いて左手に逸れると氷川神社に出る。一応、今回の川越周遊の観光地巡りの終着点みたいな風に思っていた。本当は川沿いをもう少し行くとヤオコー美術館があるので、そこで久々に三栖右嗣の絵を観たいという気持ちもなきにしもだったのだが、時間ももう4時を少し回るくらい。足腰にもだいぶきている感じだったので今回は断念する。

 

 そして氷川神社だ。

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https://www.kawagoehikawa.jp/#/

氷川神社 (川越市) - Wikipedia

 思ったよりも規模感が狭い、小さい感じである。ただしここには若い人たちがたくさん、たくさんいた。多分感覚的には蔵造りの町並みよりも人が多い。おおむねカップルで参拝したり、くじを引いたりしている。ここが縁結び神さまとして有名だからということもあるのかもしれない。まあそれとは別に蔵造りの町並みをブラブラして、食事をしたりして最後に来るのがここみたいなこともあるのかも。

 自分も妻もとりあえず氷川神社、こういうところねとあたりをつけてとりあえず終了。そのあとは裁判所前から市役所の脇に出てもときた川越市駅を目指した。

 

 駅に着いて一応iPhoneで歩行距離とかを見てみると11.5キロとある。まあならすと週に1~2回妻との散歩で10キロ前後歩いているのでさほど歩いたという気はしない。ただこの日はけっこう暑かったので少々バテた。

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 最寄り駅に着いてからは、駅に近い割と行きつけにしている小料理屋が営業再開していたので、二人で軽く飲んでから帰った。とりあえず車椅子で川越周遊は特に問題なしというところだ。妻も割と喜んでいたので、ときどきはこうやってブラブラするのもいいかもしれない。