小児脳梗塞

高校生の脳梗塞患者ということでも少々驚きであったのだが、実は脳梗塞には症例としては少ないながら小児脳梗塞という小学生での発症もあるということを最近知った。
http://mogul.at.webry.info/200805/article_18.html#trackback/:titel
この愛ちゃんという娘さんは、1996年生まれだから11歳。うちの娘よりも1歳上、小学六年生である。発症したのは2005年12月だから妻の発症の一月後くらいのところである。小学3年生での発症である。つらい、しんどい世界だ。妻は45歳で発症だったが、それでさえなぜ妻がと私は思った。特に理由となるべき成人病的な気質は一切なかったから、なぜこの若さでとつくづく思ったものだ。実際脳梗塞の原因は最後まで不明だった。それは妻にとっても同じだったはずだし、時々本人も吐露することなのだが、「なぜ私が」といつも思っているという。
妻の年齢でもそうなのである。7〜8歳で長く続く後遺症を伴うこの病気である。親御さんは「なぜ娘が」と。そして本人も「なぜ私が」と思うことだろう。そんなことを思いやると、とにもかくにもやりきれない思いになる。
しかしこの愛ちゃんは驚異的な回復力で、現在では駆け足することもできる、自転車にさえ乗れるまでに回復している。手のほうの回復はまだまだようだが、それでもゆっくりながらジャンケンを行う訓練が進みつつあるようだ。実際麻痺した手でのジャンケンがどのくらい難しいことか、身近に妻という脳梗塞患者がいるだけにそれがものすごくわかる部分もある。
この愛ちゃんを支え導いているのが、このサイトを運営しているお父さんである。病気に倒れた娘のために様々なリハビリ法を実践し、それをビデオに撮って検証する。いろいろな病院、診療所に娘を連れていき様々な治療を受けさせる。仕事をしながら、愛ちゃんの兄弟二人にも愛情を注ぎながら、すさまじいパワーで娘さんの病気を治すため日々研鑽を続けている。この父親があればこそ、愛ちゃんは懸命なつらいリハビリを耐え、その結果として確実に回復しつつあるのだと思う。
それを思い翻ると自分は妻のリハビリのための努力を怠っているのかもしれないなと思う部分もある。妻のリハビリは現在では週一回のデイケアでの短いOT、PTのみである。それでは現状を維持するまでにもいたっていないのでと思う。妻の左手は麻痺特有のすこし肘を曲げた状態でかたまっている。手はとじられた状態で硬縮している。この状態はある意味病状が固定したとされる発症から一年経過時点とほぼ同じ状態だ。でも、もし継続的なリハビリ治療をきちんと受けていたら、また自宅でもリハビリ訓練を継続していたら、もっと改善されていたのではと思う部分もあるのだ。
たらればの話ではある。でもまだ46歳の妻は、継続的なリハビリを行えば、麻痺した手、足が改善される可能性がないわけでもないのではとも思う。もしそうならなくても、硬縮が進むのを止めることはできるはず。それを思うとなんとかして妻のリハビリを進めたいとは思う。でもいかんせん、その時間がとれない。引っ越して職住近接にしたお陰で、かなり楽になった部分はある。とはいえそれでも仕事して、家事してとなるとなかなかに次ぎのワンステップがでてこない。
ちょこちょこDVD借りてきて土曜の深夜とかに観る。土日に自室で洗濯物たたみながらCDを聴く。なんか時間作ってはそんなことをして現実逃避しているのだけれど、もう少し妻のために時間を作る必要もあるのかもしれないなと反省する部分もある。そう、愛ちゃんのお父さんの頑張りをHPで見ていると、そんな自分の至らなさを感じてしまう部分もある。
とはいえこの愛ちゃんという娘さんの回復を心よりお祈りする。父親の懸命なリハビリの勧めと父親を信じてそれを素直に受け入れて頑張るこの娘さん。アップされる動画とかを見ると本当に良い娘さんだ。彼女の回復と幸福を本当に心から祈る。