穏やかな元旦

 大晦日、妻の実家に行く。

 これは一応毎年恒例のこと。今回は子ども付いてきた。

 親戚がけっこう集まり、騒々しい夕食の後、少し年下の義兄(微妙)と酒飲んで語り合う。まあこれも年に一度のこと。今後の行く末とかもろもろ、一部暗い話題も酒があれば軽く流せる。

 翌日元旦、午前中のうちに帰宅。なかなかね、妻の実家といっても、高齢の妻の母と同じく60代の義兄の老々介護の家。そしてこちらも片麻痺の妻とその配偶者であるアラ古希の自分。大人数で来ていた義弟一家といっても、義弟夫婦も50代後半。短時間ながら、もう一組義弟一家が挨拶に来たけどこちらも60代。みな等しく年を取る。

 妻は少し観光をしたい様子だったが、元旦は観光地もお休みしている。小布施の街並みを通ったが、観光施設、美術館とかはすべて休み。子どもは出来れば早めに最寄りの町に帰りたいというので、すぐに高速にのった。

 昼食はやや遅めに、関越道の上里PAで食すことに。フードコートみたいなところに、ラーメン屋が二件、そば屋、カレー屋、とんかつ屋、天丼のてんやなどがある。値段が上がっているのか、だいたいの価格帯が千円前後。ラーメン屋で2500円近いメニューがあり驚いたりもした。

 そして3時くらいに子どもの住む町に戻り。ショッピングモールの駐車場に車を止めるも、元旦ということもありホームセンターは休み。妻が少し散歩したいというので駅周辺のあたりを三人で歩く。妻の車いすはだいたい子どもが押して、自分は後についていくような感じ。

 地方都市の元旦、夕暮れ時は穏やかかつ静か。もともとさほど賑わいもない駅近の商店街は、店もほとんど閉まっていて、人もまばら。

 それからちょっとした公園のあたりを回り、これも閉まっている図書館のあたりを巡る。子どもは最近もっぱら図書館利用で本を読んでいるそうな。今はスティーヴン・キングにハマっているとか。

 ディープ埼玉のさびれた町を歩いていると、少なくとも世界は平和なような気がする。願わくば、こうして自分と妻の、そして子どもの生活が平穏であればいいと思ったりもした。いつも寺社をお参りするときに願うのは、妻と子どもの幸福と健康。そして自分も今少し、健康でいさせて欲しいと。

 さすがにこの歳になると、もうドラスティックな変化など望むべくもないし、そういうものは何も求める気にもならない。今日が昨日と同じように、なんの変化もない平凡な日常であったとしてもそれでいい。そして明日が今日と同じように平穏であって欲しいと、ただただそれだけでいい。

 枯れたなと少しだけ思ったりもする。

 そして今年、自分は古希を迎える。