生命の星・地球博物館
旅行初日にお休みだったので、最終日はこちらに寄ることにした。
ここに来るのは本当に久しぶり。この雑記の記録では2007年に家族三人で訪れている。ということは18年ぶりということになるのか。いや~、なんとも。遠い目になるな。
もともとは馬車道と桜木町の間くらいにある神奈川県立博物館の自然部門だけを移設して作った自然誌博物館で、開館は1995年。もう30年も前のことになるのだ。建物は新しい感じがするけどけっこう前になるんだね。そのせいかトイレがシャワートイレでないとか、まあ20世紀の博物館という感じは細部にあったりする。
そもそもというか、おおもとの神奈川県立博物館は開館が1965年。もともとの器というか建築物は、横浜正金銀行本店として1904年(明治37)に竣工されたもので、国指定の重要文化財という代物。それを博物館としてリニューアルした由緒正しいもの。
よく行ったのだよ、中学生とか高校生の頃。
基本、孤独な子どもだったので、淋しくなると博物館とか動物園、図書館とかを一人でうろうろしていた。動物園は野毛山動物園、図書館は紅葉坂の県立図書館。そしてそして、その後は野毛のジャズ喫茶でコーヒー一杯でねばる。思い切り背伸びしていたけど、淋しい子ども時代でした。
まあそれは置いといて、箱根の美術館の話。
初三郎式、かながわの描き方 ―地形表現の科学― | 神奈川県立 生命の星・地球博物館
今回行ってみようかと思ったのは、吉田初三郎の鳥観図の企画展をやっているということだったので。吉田初三郎の回顧展はというと、府中市美術館で一度観ている。けっこう好きなんだな、あの観光名所とかを思い切り誇張的に描いた鳥観図。富士山と筑波山があって、なぜか遠くに下関まで描いちゃうというあれです。
今回の企画展では神奈川の地形と初三郎が描いた神奈川の名所鳥観図をメインにしたもので、さらにコンピュータグラフィックによる3Dの鳥観図と初三郎の鳥観図の比較を行っていた。このへんの切り口は自然博物館ならではか。そして意外だったのが、初三郎の鳥観図がけっこう実際の3Dと似通っている部分があったこと。初三郎のバーズアイは単なる想像力の産物ではなく、リアルな再現部分もあったのだと思ったりもした。もちろん大きく異なる部分、そう下関も見えちゃう部分とかもあるにはあるけど。
そして常設展示。こちらはというと18年前と基本一緒。特に一階の地球展示室では、地球科学や生命科学が中心で、惑星や地球がどのように生まれたか、そして地球の成り立ち、構造などを鉱物などをもとに展示してある。その次には生命の進化ということで、さまざまな剥製や骨格模型が展示してある。いやはや懐かしい。だんだんと昔来た時の記憶が蘇ってくる。
ちょうどその頃、映画の『ナイト・ミュージアム』を観たばかりだったからだろうか、子どもとティラノサウルスの骨格模型が、夜になると動き出すとか、骨をあげるとじゃれるとかそんなバカ話をしたんだったか。子どもは多分10歳くらいか。
二階は資料室などがあり、常設展示は3階に続く。こちらは神奈川の生物などについての剥製や標本がある。18年前と大きな違いは、まるまる一室をさいて環境問題、気候変動についての展示が行われていた。たぶんこれはここ10年くらいの取り組みかもしれない。
前回の記録でちょっと面白いなと思ったのは、博物館の標本や剥製は死骸の集積だという記述があったこと。それから村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の主人公が、図書館での一角獣の頭骨から古い夢を読み取るという「夢読み」という仕事に就くことを想起したりしている。博物館は骨や死骸を展示し、そこから科学的知見を得るということなのだが、鑑賞者はそれ以外にもさまざまな想像力を喚起する。彼らの生活、生と死などなど。
博物館の理系的な受容と喚起と文系的なそれはたぶん違っているのだろう。夢読みという
もう一つ、博物館というと思い出すのは、クリス・マルケルのフォト・モンタージュによって作られた映画『ラ・ジュテ』だ。これは過去と未来を行き来する男の物語を静止画によっての連続によって描いたSF映画で、テリー・ギリアムの『12モンキーズ』の原案となったものだ。自分はこれを東京都美術館の「ポンピドー・センター展」で観た。
この映画の中で男と女が無人の博物館でデートをするシーンがある。モノクロながら美しい、印象的なシーンだった。こんな感じだっただろうか。




ということで今回はクリス・マルケルを想起しながら、博物館の常設展示を見て回った。そして自然博物館もいいものだと改めて思った。今度は久々に上野の科博にでも行ってみようかと、ちょっとそんなことを思った。



















