『ジュラシック・ワールド/復活の大地』を観た

 

 『ジュラシック・ワールド/復活の大地』をご近所のシネコンで観てきた。

 珍しく家に寄った子どもと三人で観た。子どもが自立してから初めてかもしれない。昔からずっと三人でご近所シネマで映画観てきたっけなとちょっと遠い目になる。

 『ジュラシック・パーク』のシリーズ7作目、「ワールド」になってから4作目となる。ニュースが伝えられてから、正直まだやるのかとは思ったものだが、いざこうやって観てみると、やっぱりこのシリーズは嫌いじゃないな。「スターウォーズ」、「ジュラシック・パーク」、「インディ・ジョーンズ」といったシリーズは結局かかさず観てきたというか、つきあってきた感がある。『スター・ウォーズ4/新たなる希望』は封切りしてすぐに有楽町の日劇で観たことはけっこう鮮明に覚えている。さて『ジュラシック・パーク』はどこで観たっけなと。

 「ジュラシック・パーク」シリーズの歴史を振り返ると、パークの3作は1993年、1997年、2001年、このへんはだいたい一人で観ているか。『Ⅱ/ロストワールド』は子どもが生まれた年だったから、この頃は仕事や子育てに忙しかったので、レンタルビデオで後追いしたのかもしれない。そして2005年には妻が病気で車いす生活になったから、どんどん映画から遠ざかるようになった。

 「ジュラシック・ワールド」シリーズは2015年から始まっている。この頃はもう自分も60手前くらいだし、子どもは高3くらい。たぶん「ワールド」のシリーズはだいたい家族三人で観ているはずだ。この頃は話題作というとたいてい近所のシネコンで家族で観ていたかもしれない。長生きしていると、こうして長く続くシリーズと自分史が重なるものがあるな。

 

 さてと新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』である。

作品情報|映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』公式サイト

ジュラシック・ワールド/復活の大地 - Wikipedia

 感想的にいえば、まあまあ面白い。ハラハラドキドキ、ある種のジェットコースター・ムービーだし楽しめる。これでもか、これでもかみたいな感じの恐竜の襲撃、そういう意味ではこのシリーズの常道的でまったく裏切らない。多分、4DXとかで観たならさらに楽しめるかもしれない。

 とりあえずネタバレ的な部分も含めて断片的な感想を。

 

***************************************

 

 前回の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から5年後で、世界中に放たれた恐竜たちは、地球環境に適応できず絶滅寸前になり、赤道直下の島嶼に隔離されているという設定。そこに製薬会社が心臓病の新薬のために恐竜三種のDNAを採取しにいくというお話。製薬会社の人間、彼に雇われた傭兵たち、さらに大洋をヨットで航海していてまきこまれる家族四人が、恐竜が生息する島にたどり着いて・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 今回の映画は「ジュラシック・ワールド」シリーズの中では、どちらかというとスピンオフ的である。これまで主演を務めていたクリス・プラットブライス・ダラス・ハワードも出ない。さらにマッドサイエンティストのウー博士も出ない。「ジュラシック・ワールド」といえばクリス・プラットとラプトルのブルーが主役だっただけに、この一人と一匹が出ないだけで、なんとなくしっくりこない。スピンオフ感がたかまる。

 

 タフでマッチョなクリス・プラット的な役割を務めるのが名女優スカーレット・ヨハンソンアベンジャーズ・シリーズにも多数出演しているのでアクションはお手のもの。存在感があってカッコいい。正直、この映画は彼女と同僚の船長役を務めたマハーシャラ・アリの二人でもっているかもしれない。この二人の圧巻の演技とSFX/VFXによるリアルな恐竜たち。これがすべてかもしれない。

 スカーレット・ヨハンソンは大女優だけどまだ40歳だとか。ゆうに50代かと思っていたのだが意外と若い。長いキャリアのある人だけど、子役時代から出ているということもあるのかもしれない。

 アクションも得意というが、この映画での傭兵のリーダー役はちょっとリアリティ的にどうかと思える設定だけど、それを破綻なく、しかもカッコよく演じられるのはやはりこの人ならではというところかもしれない。今、こういうタフなアクションを演じられる女優といったら、この人とシャーリーズ・セロンが双璧かもしれない。

 

 ヨハンソンのかっての同僚でクルーザーで恐竜のいる島を目指す船長役を務めるのがマハーシャラ・アリ。典型的な性格俳優だが存在感抜群。この人が出ているだけでなにか映画が締まるような。とにかく出る映画、出る映画で、存在感と強烈な印象を与える。『ドリーム』、『グリーン・ブック』、『終わらない週末』などで、スクリーンに登場するたびに、あの人、あの人みたいな感じになる。『ムーンライト』と『グリーン・ブック』でアカデミー賞助演男優賞を二度受賞しているらしい。『ムーンライト』はまだ観ていない。暗い黒人ゲイの映画というので、敬遠しているのだけど、そのうち観てみようかと思う。

 マハーシャラ・アリは最後、みんなを救うために自らがおとりになって襲ってくる新型恐竜の注意をひき襲われたかのように見える。でも最後の最後で脱出して生還する。そういえば『ジュラシック・パークⅢ』でもグラント博士の弟子みたいな若手学者が同じように絶体絶命のピンチに陥って、さすがに死んだだろうと思っていたら、最後救出されていたとかあったな。ようはこのシリーズでは主役と準主役は絶対なにがあっても死なないと、まあそういうことなんでしょう。

 

 今回の映画では、なにかいつものシリーズ感的なものに欠ける部分がある。多くの人が指摘しているけれど、遺伝子操作で作り上げられた新恐竜というのが、所謂恐竜というよりは化け物、モンスターに近い。「ジュラシック・パーク」的というよりも「クリーチャー」みたいという声が多数ある。後半、排気口を通って脱出する場面などは、さながらエイリアンみたいだったりした。

 同様にこの映画では「ジュラシック・パーク」シリーズの常道からかなり外れている。シリーズの影の主役であるティラノサウルスもラプトルもチョイ役のような感じであり、人間でいったらカメオ出演のような扱いである。さらにティラノサウルスは仰向けで昼寝していたり、寝返りをうったり。これはちょっとあり得ないだろうと思ったりもした。とどめは川の中を泳ぐ。泳ぐティラノなんて誰が観たいのかと。

 最後、モンスターのような新型恐竜に襲われる主人公たち、絶体絶命のピンチになる。ここは絶対、ティラノサウルス登場だろうと期待したのだが、出てこない。多分これはみんな思ったのではないだろうか。観終わって子どもと話していたら、同じことを思ったそうな。

 さらにさらに、ラプトルに至ってはもっと悲惨な扱い。人を襲おうとしたとたんに巨大な翼竜に襲われて捕食されてしまう。これまでほぼ準主役的だったのにと、ちょっとがっかりした。

 

 とはいえこの映画にはこれまでのシリーズやスピルバーグ映画へのオマージュとなるシーンも多数ちりばめられている。そのへんはファンにとってはちょっとしたくすぐりになっている。製薬会社の人間が採取した恐竜のDNAサンプルを略奪して、オフロード車でジャングルを逃走するシーンは、第一作の『ジェラシック・パーク』に登場する太っちょの子悪党ネドリーの逃走シーンを彷彿とさせる。

 最初にモササウルスの血液を採取するために、モササウルスをクルーザーで追跡するシーンはさながら『ジョーズ』のようだったりとか、これはちょっと楽しくなった。

 

 てなことで、個人的にはけっこう楽しめた映画ではあった。世間的な評価では5点満点で2.4くらいと、けっこう厳しめ評価が多いようだけど、そこまで低評価になる映画ではないとは思う。134分とりあえずダレずに観ていられたし、お約束的なハラハラドキドキはあったし。まあ自分的には3.5くらいはつけていいとは思った。