妻の装具の仮合わせのために都内の装具屋さんに行く。新しい装具はほぼ出来上がっているのだが、ここで実際に履いて少し歩いたりして、不具合や気になる点を調節する。妻のリクエストで数ミリ短くする。あと微妙な角度によって押し出される感じとか、逆に少し前のめりになるかどうかなどもチェックする。
こればかりは一応健常な自分にはまったくわからない部分だが、障害者にとっては重要な点でもある。装具を作ってくれる職人さんは女性の方で、妻が障害になってまもなく多分二度目に装具を作ったときにやってくれた方なので、もうお付き合いは18年とかそういう年月になる。当時は寡黙な若い、学校を出たばかりみたいな印象があったが、今ではすっかりベテランの職人さんだ。そして技術の点でも信頼できる。
無事に仮合わせが終わり、翌週には出来上がりとなるのだが、こちらの都合で引き取りは二週間後ということにする。あわせて頼んでおいた古い装具3足分の補修が完了してあったので、こちらについては引き取ることに。ベルトの交換などで、3足で25000円。新しい装具とあわせると10万ちかくになる。えらい出費ではあるけれど、まあこればかりは致し方ない。
その後は上野に。いつものパーキングセンターはけっこう混んでいたけれど、なんとか4階に1台分の空きがあり駐車できた。エレベーターは3階と5階にあるので、そちらがいいのだが、混んでいるのでこれもしょうがないところ。やっぱり土曜日の上野は混んでいるということだ。
夕方、子どもが吹奏楽の練習をしているホールまで迎えに行く予定があったので、あまり美術館に行く気にもならない。友人に子どもが都内で練習があるときに時々送迎するみたいな話をしたら、「相変わらずだね」呆れられた。
子どもが高校生とかなら判るけれど、四捨五入すれば三十路になるというのに、練習帰りに迎えに行くというのも、確かに親バカの極みかもしれないな。とはいえ仕事しながら、音楽に励んでいるのはなんとなく応援したくもなる。来月には定期演奏会があるようで、この日は全体練習があるという話だった。
夕方迎えに行くとなると、さほど時間的余裕もないので少し周辺を車いすを押して散歩することにした。
上野公園をトーハクに向かい、そこで左に折れて藝大の前をまっすぐ進んでいくと、いつのまにか谷中の霊園の辺りに出た。いつもは団子坂の方から上がってくるのだが、谷中はけっこう上野から近いのだなと思った。そのまま霊園を突っ切れば日暮里の駅に出る。JRの路線でいえば二駅分だ。
自分が霊園を巡るのが好きなことは知っている。谷中霊園に来たことも話したことがあるので、妻も少し興味があるみたいなので少し霊園の中を歩くことにする。といってもこの霊園はかなり広い。そしてこの霊園は他の霊園、例えば染井霊園や雑司ヶ谷霊園などと違って、著名人の墓の案内地図みたいなものがない。なので行き当たりばったりというか、偶然探すような感じがあったりする。
前回来た時もぐるぐると回りながら、横山大観、鳩山一郎、菊池容斎、朝倉文雄などの墓を見つけた。
都内周遊~墓巡り~谷中篇 (3月4日) - トムジィの日常雑記
今回は時間も限られているし、車いすを押してだったので、霊園の半分くらいを見て回っただけ。それでもいちおう徳川慶喜の墓所は押さえておいたが。
その後は鶯谷方面に向かい寛永寺に足を向けた。そう上野には何度も来ているのだけど、寛永寺には一度も来たことがない。そして寛永寺はその霊園を含めると、このあたりに広大な敷地を持っていることがわかった。
土曜日の午後だが、寛永寺の境内は思いのほか静まり返っていて、人も少ない。

いつものように妻と子どもの健康と幸福を祈り、自分もいましばらく健康でいさせて欲しいと願う。それから社務所でご朱印をいただく。自分の前に二人、同じような年齢の男性がいるだけで、ほとんど待つこともなかった。

寛永寺から左手に寛永寺の墓所、右手はもう東京国立博物館の裏手あたりになるのだが、そこに低層のビルがある。よく見てみるとなんと東京文化財研究所、東文研である。


よく東文研のデータベースを閲覧することはあるけれど、こんなところにあったとは知らなかった。そして当然のことながら大規模な施設で独立行政法人国立文化財機構に属する研究所である。
https://www.tobunken.go.jp/index_j.html
ようするにトーハクの敷地内にあるということのようで、自分は単なるお上りさんということなんだろう。しかしトーハクの裏手がこんな風だったとは知らなかった。
それからは線路沿いに歩いて上野公園通りに出て、振りだしに戻るようにして西洋美術館前に戻った。時間は3時頃で、お迎えに行くのは4時半頃。なのでちょっとだけ西洋美術館の常設展をひやかすことにした。
今回の周遊コースはこんな感じ。平坦な道ばかりだったので、車いすを押していてもほとんど苦にはならなかった。歩いた距離はスマホのヘルスケアによるとだいたい9キロくらいだった。
