自分はカトリックにも興味はないし、もともと無宗教の人間なのでさして新教皇について思うこともないはずだ。なのでこれはただの雑感だ。
まず教皇選出のコンクラーベについて。あのシスティーナ礼拝堂のなかで133人という枢機卿がどんな風に議論し、投票を行ったのか。そういえば『教皇選挙』という映画が3月くらいに上映されていたけど、再上映がかかっているのか、ちょっと気になったりする。調べるとご近所のシネコンでは上映されていないみたいだったが。
システィーナ礼拝堂はもちろん行ったことがない。バチカンの壮麗な霊堂だ。ただ原寸レプリカの大塚国際美術館のシスティーナ礼拝堂には多分10数回行ったことがある。正面、左右の壁面、そして天井には見事なミケランジェロの絵画が描かれている。
壮大かつ荘厳なイメージだが、大塚国際美術館のそれに最初に訪れたときに思ったのは、不謹慎にもこの広さがあればフットサルの試合くらいできるなみたいなことだった。そして枢機卿たちがあの衣服でボールを蹴っているのを想像したりしていた。いくぶんかはモンティ・パイソンの影響だっただろうか。
システィーナ礼拝堂の絵をテーマに、ミケランジェロと教皇ユリウス2世の葛藤を描いた映画『華麗なる激情』(1966)はけっこう好きだった。ミケランジェロを活劇俳優のチャールトン・ヘストン、ユリウス2世はレックス・ハリソンだったか。肉体派でアクション俳優として売り出したチャールトン・ヘストンは『ベンハー』(1959)など史劇ものも好演していて、アカデミー主演男優賞にも輝いている。
この映画でチャールトン・ヘストンはけっこういい演技をしていたし、二度目のオスカー受賞してもいいくらいだったと思ったりもするが、残念ながらノミネートもされなかった。この映画の監督は『第三の男』のキャロル・リードだったか。
この映画が公開された1966年のアカデミー賞はというと、作品賞は『サウンド・オブ・ミュージック』、監督賞も『サウンド・オブ・ミュージック』のウィリアム・ワイダーだった。それじゃ主演女優賞もジュリー・アンドリュースかというと、なぜかジョン・シュレンジャー監督作品『ダーリング』のジュリー・クリスティだった。ジュリー・クリスティは同じ年にデヴィッド・リーンの『ドクトル・ジバゴ』にも主演している。どちらかといえば『ドクトル・ジバゴ』だろうと思ったりもする。
そして主演男優賞はというと、チャールトン・ヘストンも『ドクトル・ジバゴ』のオマー・シャリフもノミネートがないなかで、リチャード・バートン(『寒い国から来たスパイ』)やロッド・スタイナー(『質屋』)を押しのけて、なぜかコメディ西部劇『キャット・バルー』に出たリー・マーヴィンが受賞している。リー・マーヴィンは長く悪役俳優を演じた名優で、けっこう好きな俳優だけど、いくらなんでも『キャット・バルー』はないだろうとは、常々思ったりもしていた。
話は『華麗なる激情』にも戻るけれど、あの映画の中でレックス・ハリソンが演じた教皇ユリウス2世は、教皇の衣服よりも甲冑をつけた戦う教皇というイメージだった。ほとんど戦争ばかりしている教皇という感じ。
話が映画的に脱線した。教皇についてである。
今回の教皇選出でちょっとばかり衝撃だったのが、新教皇がアメリカ人だったことでもなく、そのの年齢である。レオ14世は1955年生まれの69歳だ。って、これは自分よりも一つ上ということだ。
自分のローマ教皇に対するイメージはというと、ずいぶんと年長な人ということだ。そりゃそうだろ、全世界のカトリック教徒の頂点にある人であり、初代教皇ペテロから2000年、連綿と続いているのだ。
なのにその教皇がほぼ自分と同世代だということの衝撃。
最近の教皇の生年と在位期間、そして選出されたときの自分の年齢を重ねてみる。
| 教皇名 | 生年 | 在位期間 | 在位時年齢 | 自分の年齢 |
| ヨハネ・パウロ2世 | 1920 | 1978-2005 | 58 | 22 |
| ベネディクト16世 | 1927 | 2005-2013 | 78 | 49 |
| フランシスコ | 1936 | 2013-2025 | 77 | 57 |
| レオ14世 | 1955 | 2025- | 70 | 68 |
そりゃ22歳の若僧からすれば58歳はずいぶんと年長だし、ベネディクト16世やフランシスコでも30とか20とか上だと、まあそういうものかとなる。でもカトリックの総帥が自分より一つ上というのはちょっとした衝撃だったりもする。
まあそれだけ自分が年くったという、ただそれだけのことなんだけどもね。
思えばこういうのは、例えばオバマが大統領になったときにも一定の衝撃でもあったりもした。オバマは1961年生まれだから5歳も下。しかも彼が大統領になったのは2009年だから48歳の時だ。その頃自分は何をしていたか。たしか零細企業の取締役になったのは2010年くらいで54歳だったか。なにか遠い目になるなあ。
日本の総理大臣だって、岸田、石破はいずれも1歳下になる。岸田が初めて年下の総理大臣になった。でもなぜかそのへんは特に驚くことではなかったのだけど。
それにしてもローマ教皇がほぼほぼ同世代だということ。それだけ自分が年をとったということ、ただそれだけのことなんだが。なんかこう月並みだけど、それってヤバクないかと思ったりもする。これはまあリタイアした老人の繰り言みたいなものかもしれないけれど。
