ここ何年かずっと買い物をしたときのレシートを捨てずにいる。レシートは財布にいれておいて、何日かしたらノートに貼っておくようにしている。
もともと浪費癖のあった兄にやるようにと勧めたことである。弟が兄に対してそんなことをという部分もあるかもしれない。兄は5年近く前に亡くなっているが、ちょっと訳アリの兄弟関係で、晩年の兄のことは自分が面倒をみていた。兄は60で仕事を辞めたときにちょっとした借金を背負っていて、住んでいたアパートも汚部屋と化していて追い出される寸前。さらに身体も壊していてその治療費も工面できないでいた。
なので住む家を買ってやり、医療費なども自分がサポートした。健康と節約、家の管理を頼んだが、いずれもうまくはいかなかった。晩年は人口透析、糖尿病、動脈硬化などに苦しんだ。もちろんそのサポートで自分もけっこうシンドイ思いをした。
とにかく浪費癖があるので、レシートをノートに貼るだけでも、ある種の抑制効果があるのではないかと、たぶん何かで読んだのだと思うが兄に勧めた。1~2年はけっこう律儀にやっていたけど、いつのまにかやめてしまったみたいだったが。
仕事を辞めてから、別に暇だということでもないのだが、自分でもレシートをノートに貼ることを始めた。現役時代と今の年金生活では収入的には雲泥の差である。自分と妻の年金を合わせても収入は半分以下みたいになっている。倹約しなければ多分相当にきつくなる。なので少しは抑制できるかと、そんな思いもあった。
レシートを貯めてノートに張り出したのは2022年10月の終わりから。仕事を辞めたのが2020年の9月の末だったので、2年のブランクを経てということになる。なぜそのタイミングかは判らないが、たぶんこのままだとちょっとまずいかなという思いに駆られたのではないかと。
さらにいうとレシートには当然漏れもある。紛失することもあるし、飲食代なんかだとレシートの類を出さないところもある。まあいえば出るのだろうけれど。そして当初は現金購入のレシートだけだったので、カード払いの明細はなかったりもする。たとえばガソリン代はというと、ずっとカードだったし、今はカード連動のスマホアプリで決済している。なのでガソリン代については、レシートを貼るようになったのは2023年2月からだったりもする。
全部を網羅するのではなく、あくまでやれる限りとか、判っている限りでということでいいのではないかと思ったりもする。本当は現金の支出、残高、銀行残高、そういうのをきちんと管理すべきなんだろうが、家計でそれは無理じゃないかと思ったりもする。きちんと家計簿つけている人はこれを1円単位まで合わせているのかもしれないが、多分自分的には無理だと思っている。
でも不思議だと思うのは、こと家計だと金銭を1円単位まで合わせるのは端から無理となってしまうけど、これが仕事だとまったく違う。会社勤めしていた人で、経理とかの経験がある人なら当たり前のように判っていることだけど、会社のお金は本当に1円単位まできっちり合わせる。預金出納帳、現金出納帳に記帳して、元帳に転記して、預金残高と預金出納帳はきちんと合わせる。現金も金庫の中身を原則として毎日合わせる。合わなければ調べる。これが当然なことだ。
自分でも長年やってきたのでポイントもつかんでいる。人にやらせるようになっても、もし合わなければ、このへんじゃないかとアタリをつけて指摘してあげるとか、まあ年の功的にやってきた。口の悪い友人には「お前みたいに雑なやつでも務まるっていうのは、経理とか経営とかちょろいな」と言われたことがある。まあ仕事だから、務まらない訳にはいかない。
でもこと家計においてはそこまでの正確性は多分必要ないと思ったりもする。現金、預貯金、家計簿で数10円、あるいは数百円狂いがあったとしても、それを追及することに時間を割く意味があるかどうか。費用対効果は? そもそも家計における効果ってなんだ、みたいな。
ということで、とりあえずレシート貼るだけなので、だからどうなのと言われればそのとおりなのである。途中から簡易データベースソフトでシートを作ってレシートの合計金額を入力するようにした。まあ年寄りの日々の購買記録なので、たいした量ではない。ソフトは現役時代ずっと使っていた桐だ。エクセルにしようかと考えたが、検索、ソート、抽出などの使い勝手は表計算ソフトよりもデータベースの方が楽だ。
一応どっちのソフトも人よりは精通しているとは思うが、桐とのつきあいは30年以上。表計算のほうは、マルチプランやLotus1-2-3は20世紀には使っていたけど、エクセルは多分今世紀になってからだろうか。自分はだいたい基幹システムからデータ落として、それを桐で加工。さらにそれをエクセルに落として経営資料作るみたいなやり方でずっとやってきた。さすがに数千から数万のデータをイジルとなると表計算よりデータベースの方が楽だ。
多分、日々パソコン使って仕事している人なら、今だと基幹システムから落としたデータをアクセス使って整理し、それからエクセル使ってみたいなことやっているのではないかと想像する。
レシートを貼ったノートはすでに数冊になっている。入力したデータは2000件を軽く超える。塵も積もればなんとやらだ。とはいえノートに貼ろうが、パソコンに入力しようがそれで金が増える訳でもない。ときどき集計をとって驚愕するだけだったりする。
たとえばガソリン代。集計を取り始めた2023年2月から給油を70回、給油総量は1612.7リットル、合計256,270円だ。ふーん。まさに、ふーん、そうなの、である。それがどうした、なのだ。
貼ったレシートによる飲食費は464回で937,226円。1回あたり2020円、この中には飲み代もあれば、牛丼やマクドナルドのコーヒーもあり、コンビニで買ったカレーパンもある。まあかわいいものかと思ったりもする。
衣料類は241,582円。多分このうちの半分以上がユニクロだと思う。まあこれもそんなものだろうか。
とここまで書いていて、このレシートノートには一番購入しているかもしれないネットショッピングが含まれていないことに気がつく。楽天はほとんど使わないが、Amazonはけっこう頻繁にポチってる。購入履歴はいつでも引っ張り出せるのだが、それはできればみたくないかもしれない。
ノートに貼ったレシートの食料品の合計でも軽く200万を超えている。高齢者の二人暮らしにしては多すぎる。ようは買い物に行く頻度、そして多分に余計なものを買っているのだろうとは思う。
レシートをノートに貼ることで節約というか購買行動の抑制につながるかというと、あんまり効果は出ていないかもしれない。でもまあ、時々こうやって見返してみて、驚愕というか、唖然というか、その数字を見て多少の内省みたいなのがあるだけで、なにもないよりは少しはマシかと思ったりもする。とりあえず合理化というか、自分に都合よく解釈するだけではある。