伊豆旅行に行って来た 2025年4月

 年に何度も行くのだけど、また伊豆に小旅行に行って来た。今年は2月に行ってる。去年はたぶん三回くらい行っただろうか。まあ健保の宿がある限りは、近場で宿泊費も安くて食事も美味いということで、何度も行くのだろう。運転が難しくなるとかそういうことでもない限りは。もっとも健保の資格は75歳までだから、せいぜい6年くらいということになるんだろうけど。

4月16日(水)

 旅行初日。

 緊張感もなにもなく朝9時過半頃に出発。

 いつものように圏央道から東名、小田原厚木道路へと進むのだが、途中で工事があるせいか、ナビの案内で大磯で下道に降ろさせる。しばらく走ってから今度は西廂バイパスに入る。西湘バイパスを走るなんてけっこう久しぶりのことだ。二十代の頃はよくドライブで走っただろうか。隣に乗る女性はけっこう違っていただろうか。まあ過去の栄光みたいなものだ。

 小田原で一度降りて、だるま食堂で天丼を食べようと思ったのだが、水曜日定休のため残念。しかたなくネットで調べた海沿いの小田原食堂だんというところに行く。オーシャンビューを見ながら食事ができるという割と人気店。まあウィークデイということもあり、昼時でもうまいこと駐車スペース一台分空いていて、すぐに入ることができた。食べたのはミニ海鮮丼と蕎麦のセットとか。



 その後はMOA美術館に。ここは二月にも来ている。今回やっていたのは「広重 EDO×TOKYO 今と昔」。広重の『江戸名所百景』と現在の風景写真を対比させるような試み。

 広重の版画はあちこちで観ているので、とくに感動とかはないけれど、MOAの所有するものは、色合いが鮮やかな気がする。特にあのベロ藍といわれる青の発色がいい。おそらく初刷りものとか、初期刷りなのではないかと思っている。

 MOAについての感想は別に書きたいと思っている。

 閉館までいてから伊東の宿へ。ひと風呂浴びてから夕食。健保の食事は6時からと早く、しかも1時間かそこらで食べなくてはならない。これが唯一の欠点だけど、まあ一泊6千円なんで文句は言えない。この食事でビール一本、お銚子二本というのがある意味自分にとっては至福みたいな感じ。酒飲めなくなったら、小旅行にもいかなくなるかもしれないな。

 

 食事の後は妻の希望でカラオケタイム。その後は入浴、多分12時前には就寝。きわめて健康的。

4月17日(木)

 旅行二日目。

小室山つつじ公園

 まず伊東周辺を巡る。

 去年も同時期に行ったのだが、小室山つつじ公園のつつじを見に行く。つつじ、昨年に比べてやや遅い感じだが、それでも早咲きのつつじが見事。つつじの植えてあるあたりはなだらかな傾斜地。なんとなく車いすを押すのが、去年よりもしんどくなっているような気がする。単なる気のせいか。67歳から68歳へ、確実に年はとっているのだから、これはある意味実感かもしれない。

 まあきれいな花を愛でる。1時間かそこらそうやって心和ませる時間を送るというのはいいことだろうとは思う。若い時に花を愛でるとか、そういう心持になることはあまりなかった訳で、これはまあ年を重ねてきたからこそなんだろう。

 二十代の自分が、今の自分を見たら、「ずいぶんと老いたものだね」とでも言うだろうか。生意気ざかりで、余裕もなく生きていた頃だから、多分そんなこと言いそうな気もしないでもないね。

 

 

 

 

 

 

 
一碧湖

 次に向かったのは池田20世紀美術館。なんだけど、その前に一碧湖の近くの無料駐車場に車を止めて一碧湖の景色を眺める。何度もこのあたりは通っているのだけど、意外と一碧湖の景観をきちんと眺めること少ない。まあそういうところではあるんだけど。

 

 

 

 岸に近いところにやたらとでかい鯉がいて近づいてくる。餌でももらえると思ったのかもしれない。なんとなく湖の主にみたいな感じがした。

 
池田20世紀美術館

 池田20世紀美術館はまあいつも通りである。常設展は美品、名品揃い。企画展は大津英敏の回顧展をやっていた。なかな見応えあるのだが、バルテュスに影響されているという点、成長期の娘二人をずっとモデルにしていることなどには、なんとなく抵抗感があった。まあ個人的な趣味趣向の問題だけど、芸術とポルノのきわどい境界線みたいな部分でいえば、自分はバルテュスにはいささかロリ、ポルノ的な部分にふったような印象をもっている。まあ個人の感想だけど。

 美術館の感想は別の機会に。

崔如琢美術館・レストラン天城

 続いて同じ伊東周辺観光で、去年もいった崔如琢美術館へ。お目当ては二階にあるイタリアン、レストラン天城でのランチ。パスタ・ドリンク・デザートで2千円弱はけっこうリーズナブルだと思っている。そして窓からの景色もなかなか良い。

 

 
 

 美術館の内部もなかなかに豪華。去年、この美術館についてはけっこう書いたけれど、たしか真光系の宗教団体が運営しているはず。そうでないとこの施設を多分維持できないのではないかと思ったりもしている。それくらいお客は少ない。

 

 

 展示されている崔如琢の作品はどれも素晴らしい。現代中国を代表する山水画家ということだが、たしかにその技量は素晴らしい。

 崔如琢(ツェイ・ルーツー)の作品、特に1階に展示していあるものは、ほとんどが筆を使わずに手だけで描いているという。基本は没骨法なのだが、手によっても筆と同等の卓越した技術を感じさせる。たぶん技術的には現代山水画の頂点にあるのかもしれない。

 中国山水画は宋から元の時代に生まれ、明の頃までに最盛期を迎え、清以後は廃れたみたいなことが、中国絵画史などには書かれていること多いけれど、ひょっとすると我々が知らないだけで、連綿と絵画のジャンルとしては続いているのかもしれないと思ったりもする。

 日本では明代に留学し、明でも評価されたという雪舟等楊が神格化されているし、中国画を手本にして独自の進歩を遂げたという狩野派の唐絵が独自のものとして評価されている。花鳥画若冲などが独自のスタイル化したといわれている。でも、どれもこれも基本は中国が本家である訳だし、多分雪舟のような画家は中国には数多いるのだろうと思えたりもする。

 ガラパゴス的に日本の画、唐画とは異なるとされるやまと絵をことさらに持ち上げ、その流れから明治以後の日本画を評価するが、もう一度中国の絵をきちんと明清時代、あるいはそれ以降もきちんと評価すべきなのかもと漠然と思ったりもした。

 崔如琢と現代中国画については、さほど知識もないけれど、どこかでまとめて書いてみたいと思ったりもする。

緊急地震速報

 その後は熱川のバナナワニ園に行く。これは妻のリクエスト。ここに最後に来たのは子どもが4~5歳くらいの頃だから20数年ぶりくらい。ここを訪れた感想は別に書けたら書きたい。

 入ってすぐにスマホ緊急地震速報が流れる。東伊豆町震度7という。自分のスマホ、妻のスマホ、園の窓口の女性のスマホにも。

 

 揺れていないけど、これから震度7地震が来るのか。7って立っていられないくらいの、おそらく経験したこともない揺れである。しかも海が至近の場所なのである。

 揺れがきたらなんとか凌ぐ。妻の車いすをなんとか確保しながら。それから車が出せる状態なら、すぐに車に乗ってもっと高い場所に移動して・・・・・・。

 いろいろとシミュレーションしながらも、この速報は本当なのか、とちょっとばかり疑いを持ったりしていると、また速報が流れてきた。

 

 誤報だって。

 なんでも静岡県の防災に関する会議か何かで、試験的にどう速報を流すかなどとやっている時に、東伊豆町のアカウントを使って実際に流してしまったとか、そういうことだったらしい。人騒がせなことだ。

 しかし思ったことだが、緊急地震速報はけっこう緊張度合が高まるが、実際に揺れない限りは意外と冷静でいられるものだと。

4月18日(金)

 伊豆旅行三日目。

 今回は三島周辺を回ることに。

 去年も同時期に沼津、三島と回ったのだけれど、今回も同じように伊東から亀石峠を抜けて西伊豆に回り、そこから北上して三島へ。

楽寿園

 

 まず行ったのが楽寿園という公園。これがなんと三島駅の真ん前にある。正式には三島市立公園福寿園という。明治23年小松宮彰仁親王が建てた邸宅。その後伊豆の資産家に売却されたが、戦後に三島市が購入して市立公園としたという。

 邸内は約75,474平方メートルと広く、日本庭園、児童遊園地、動物園などが併設されている。

 楽寿園のことは別に書けたらいいと思うがどうだろうか。

 

三島大社

 その後は近くの三島大社に行く。ここは去年も行ったところ。去年同様、神鹿苑で鹿に鹿せんべいを与えたりして過ごす。

 

 
 
対面石八幡神社

 三島大社の後はあとはまた楽寿園に戻り、軽食をとってから出発。

 ネットで調べると黄瀬川の陣の舞台になった神社があるという。あの源頼朝義経が初めて対面するというあれである。そしてその舞台が対面石という二人が座ったとされる石が残っているというのである。

対面石八幡神社 - Wikipedia

 

 本殿はこんな感じである。ちょっと笑えたのが、本殿は自動ドアになっていて、ボタンを押すとドアが開閉して内部が見え、お参りができるというのである。いやはや時代は変わっているのね。

 

 そして対面石はというと、こんな感じである。

 

 

 横にある木は柿の木で、伝承によれば頼朝が食べた柿が渋柿だったので、ねじってかたわらに捨てた。それが二本の柿の木に成長し、幹を絡ませねじりあっていたので「ねじり柿」と呼ばれるようになったのだとか。ほんまかいね。

 まあ黄瀬川の陣というとどうしても安田靫彦のこの絵を連想する。というかこの絵を見ていなければ、黄瀬川なんて川や二人の対面場所が史跡として残っているなんてことに反応しなかったに違いない。まあそういうことだ。

 こういう絵で時々運が良ければ東近美で観ることができる。

 

裾野・偕楽園

 その後は裾野方面をドライブ。ネットで調べて偕楽園という滝が名所というところに行ってみる。しかし偕楽園とはよくつけたなと思った。行ってみると小さな公園で、そこにそこそこの落差の滝がある。やっぱり富士山の麓だけに水が豊富なようだ。

 

 

 
五竜の滝

 さらに滝づいてもう一つ寄ってみたのが、五竜の滝という裾野市中央公園にある滝。

公園が5時で閉まるのだけど、駐車場に車を停めたのが4時半んくらいで駆け足で行ったのであまり全貌を見たとはいえないのだけど、こういう滝。これがなかなか見応えがあった。

 

 

中央公園(五竜の滝)/裾野市

 

 多分二度とは行かないような気がするが、こういうマイナーな景勝地というのもなかなかいい。そして富士の麓は水が豊富なので、裾野市では日常に滝があるという感じなのかもしれない。そういうのもなかなか良いなと思った。

 

 年に何度も伊豆方面を巡っていると、こういう風にたぶん通常の観光ではあまり行かないだろうなと思える場所にも足を向けることができる。こういうのもなんとなく僥倖というか、有難いことだと思えてくる。

 もう遠くへ行くことは、例えば海外に行くのも難しいだろう。国内でも何百キロも離れたところ、例えば北海道とか九州、中国や四国へ行くのも難しいように思える。身体が動くうちであれば、電車や飛行機乗り継いでいくこともできるかもしれない。でも車いすの妻を連れての旅となると、やはり車での移動が中心だから、せいぜい健保の宿がある近場中心ということになるのだろう。車いすを押して、荷物を抱えて、あるいは押しての旅行など、想像するだにさまざまなストレスを生じる。

 まあ行けそうな近場でささやかな小旅行を楽しむ。それでいいんじゃないかと思う。それだって多分、あまり旅行など行かない、行けない人に比べれば、はるかに幸福なことなんだろうから。