先日、地元の図書館のささやかなCDコーナーを渉猟していて見つけた。
キューバ出身のギタリスト、サンディ・トレノとボーカル、ハワード・ジョンソンのユニットによる、AORの心地よいダンサブルなナンバーを収めた1979年のアルバム。グループ名のナイトフライトは、NIGHT FLIGHTではなくNYTEFLYTEなのが、当時的にはオシャレだったのだろうか。
80年代にこういう心地よい軽めのソウル風ダンスナンバーが流行ってました。そのへんの多分先駆け的なアルバムの一つのよう。
このグループのことを知ったのは、まあ一部の音楽ファンの間では有名な話なんだけど、山下達郎のヒット曲の元ネタみたいに紹介されていたから。
アルバムの2曲目の「IF YOU WANT IT」を聴いてみる。
心地よいAORサウンドです。このギターリフがなんとなく達郎の大ヒットアルバムの最初を飾る、あの有名な名曲「SPARKLE」と近似していると、一部で評判になったということらしい。さてとどうですかね。
音のクリアさ、スケールは圧倒的に「SPARKLE」だけど確かにリフは同質的なものがある。「ナイトフライトⅠ」は1979年のもので、「FOR YOU」は1982年。「IF YOU WANT IT」はビルボードのヒットチャートで37位までいったからスマッシュヒットとはいえるけど、多分当時ナイトフライトなんてユニットだれも気にもとめていなかった。ある意味で欧米のポップスやソウルナンバーオタクでもあり、海外事情にも長けていた山下達郎が、ナイトフライトを聴いていた可能性は高い。
70年代末というと山下達郎はまだ売れる前で様々に模索している最中。1980年に『RIDE ON TIME』でブレイクし、その次のアルバムがこの1982年に発売された『FOR YOU 』というわけ、売れる路線を追求したということなのかもしれない。もっともその間に一人アカペラの『ON THE STREET CORNER』をリリースしていたりもするけど。
山下達郎はそれこそシュガーベイブ時代から同時代的に聴いてきたので、この当時のこともよく覚えている。『RIDE ON TIME』は当時、月賦で買った30万のオーディオでメタルカセットテープとかで聴いてみたのを覚えている。「やっぱり音が違う」とか適当に思ったりして。
とはいえ当時自分はもちろんナイトフライトなんてユニット知る由もなし。でも当時誰かが紹介していたら、けっこう気に入って聴いたかもしれない。当時的には、わりと好みのど真ん中にきてるような。
山下達郎はずっと聴いてきたけど、例のジャニーズ問題での発言以降はなんとなく聴かなくなってしまった。iTunesに入っていたのもジャンルをポップスやロックとは別のジャンル設定したので、iPodの類にも入っていない。なので日常的に聴く音楽のなかにはまず出てこない。達郎なしの音楽生活でも、特に支障もないまま数年送ってきた。
今回、試しに「SPARKLE」を聴いたけど、まあ普通に達郎でしたね。久々とはいえ特に支障もなく。でもこれを機にまた聴き始めるかというと、それはまあちょっと判断保留。世の中には音楽が溢れかえっているし、ことプライベートでも聴くべき音楽は山ほどある。まあ例の発言の後すぐみたいに、極端に毛嫌いすることはないとは思うが、いったん聴かなくなると、ある意味どうでもよくなる。まあ音楽なんてそんなものかもしれない。ビートルズやバカラック、ベートーヴェンやモーツァルトとはちょっと違うかもしれない。
ナイトフライトのこのアルバムはとりあえずiTunesにも入れたので、時々は車の中でシャッフルしていると聴こえてくるかもしれないが、多分積極的に聴くことはないかもしれないな。まあ心地よいし、運転している時にはいいと思う。
アルバム自体は割と同質な曲が並んでいる感じだ。個人的には6曲目の「TRYIN' TO FIND」のイントロのギターの方がなんとなく山下達郎的な気もしないでもない。なにか気合一発的なカッティングの妙を感じる。
