芝離宮と浜離宮 (3月30日)

 子どもが昼から吹奏楽の練習があるというので午前中やってきた。流れで都内まで送っていくことになった。練習場所は滝野川だったので、そこから浜離宮まで足を伸ばした。ここは都内の一等地でありながら、身障者用の駐車場が10台分くらい用意されている。たぶん都内の伝統的日本庭園の中で唯一駐車場があるところなので、なんとなく行く頻度が高い。昨年の暮に来て以来、今回で三度目。

旧芝離宮恩賜庭園

 今回は着いたのが13時半くらいだったので、浜離宮に入ってから中の御門橋から一度外に出て近くだという芝離宮にも足を運んだ。たぶんあまりいいことではないけれど、芝離宮周辺には駐車場もなさそうなので。

 浜離宮から芝離宮はだいたい700メートルくらい。高速道路の下の道を行く。車いすを押していてもさほど苦になる距離ではない。浜離宮の中の御門橋から左に折れてまっすぐに行き、都立芝商業高校の前で道路を渡って浜松町方面に行くと左側にある。しかしこういう場所にある商業高校もすごい。

 

 

旧芝離宮恩賜庭園|公園へ行こう!

旧芝離宮恩賜庭園 - Wikipedia

 芝離宮の立地はだいたいこんな感じで、芝離宮もなんていうか、東側が高速道路、西側がJR浜松町駅、北に汐留ビルディング、南は東京ガス本社ビルに囲まれている。園内に入ると、どこを見渡しても周辺の高層ビルが入り込む。ある意味高層ビルに囲まれた小さな庭、箱庭みたいな雰囲気である。

 

 

 
 

 芝離宮浜離宮とほぼ同じころ、明暦年間に埋め立てられた場所に、延宝6年(1678)、老中大久保忠朝上屋敷を立てる際に藩地の小田原から庭師を呼び作庭させた。その後幕末には紀州徳川家の芝御屋敷となり、明治8年(1875)に宮内省が買い上げ、翌年芝離宮となった。大正12年(1923)の関東大震災で建物、樹木が消失したが、翌年に昭和天皇の御成婚記念として東京市に下賜され、旧芝離宮恩賜庭園として復旧整備され、一般に公開された。

 中央に約9,000㎡の大泉水がある池泉回遊式日本庭園である。広さは約43,076㎡で浜離宮のおおよそ六分の一ほどのこじんまりとした庭園だ。もともとは海に面した潮入りの庭園だったが、東側の竹芝方面の埋め立てにより海には面していない。東側に海水取入口跡があるだけだ。

 中央の大泉水とその周りを周遊できるコースは舗装されていないが、平坦な遊歩道となっていて車いす通行可ルートとなっている。。ただし大泉水に近接した歩道は飛石などにより、車いすでの通行は基本不可。そのため八ッ橋、西湖の堤を渡って中島へ行くことも基本難しい。もっとも車いすを飛石の間を通すとか、一部歩行するなどすれば、なんとか中島へも行くことができる。

 周遊コースは出入口から時計逆回りに進むと、藤棚、桜、梅林、築山の大山、芝生広場などと進み、池の一番奥から根府川山、唐津山などを通って戻ってくる。こじんまりとした庭園なので一周に要するのはせいぜい30分かそこらである。近接したビルにオフィスがあれば、それこそ昼休みにちょっと休憩できるような感じだ。

 前述したようにどの場所に立っても周囲のビル群が入り込む景観で、これはもはや借景ということはできない。だからこの景観をダメだとするか、そういうものと受け止めて楽しむかによって、この庭園での過ごし方は変わってくるかもしれない。何度か書いてきたが、大都市の伝統的日本庭園は周囲の現代的景観としてのビル群と、内部の作られた自然や伝統的家屋などのギャップを楽しむ、たぶんそれに尽きるのではないかと思う。そういう意味では、この庭園はもっともそのギャップが顕著なところではないだろうか。

 
 

 

 浜離宮も一角にはソメイヨシノが植わっているゾーンがあるが、芝離宮は周遊コースの一角に両側が桜が続く場所がある。巡りながら桜を見る、花見を楽しむという点だけでいえば、芝離宮の方が適しているような、そんな感じがする。

 

 

 
 

 

 

浜離宮恩賜庭園

 浜離宮から芝離宮へと往復約1.4キロを歩いて行き来し、また中の御門から入る。すると目に入ってくるのは園内の高い木々とその向こうに頭を出しているかちどき周辺のビル群。この25万平米もある広大な庭園も周囲のビル群を隠すことは物理的不可能だということがなんとなく理解できる眺望だ。

 

 

 中の御門を入るとすぐに庭園内で唯一の花見ができるソメイヨシノのゾーンがある。桜はほぼ7分から満開になりそうな雰囲気だ。日曜日の午後、たぶん一番人出賑わっていたのがこの一角。外国人観光客を中心に、若いカップル、家族連れ、高齢カップルなど、みなさん写真を撮ったり、花見を楽しんでいる。

 シカゴの名曲ではないが、「Sunday in the Park~」。とりあえず世界は平和だ。

 

 

 

 

 浜離宮は広いスペースのおかげで、周囲の高層ビル群もさほど迫ってくるという雰囲気がない。メインの入り口である大手門から入ってすぐに後ろを振り返ると、電通ビルなどがそれなりに近接しているが圧迫感はない。そして海側はというと、運河に隔てられていることもあり、遠くに高層ビルのある景観であり、たぶんこれが現代の借景である。人工的に作られた伝統的庭園の内部から、1980年にジュリーが「TOKIO」と歌ったスーパーシティの21世紀的進化系の近未来的な姿、現代の様相を望むことができる。

 

 

 

 

 園内の運河に面した部分、横堀(汐入の池)の北側に海水を取り入れる横堀水門がある。ちょうど海水を入れているところだったが、間違いなくこの庭園は汐入庭園であることを実見した。

 

 

 そして大手門に向かって歩いていくともう花の落ちた梅林の向こうには菜の花畑が広がっている。菜の花はほぼ満開状態で、背景の汐留ビル群となんとなくマッチしている。

 

 

 

 菜の花畑の中になぜか巨大なアロエがあった。このデカさは尋常じゃない。

 

 最後に出入口の右側にある三百年の松を見て、今回の庭園巡りは無事終了。