久々、友人と会うことに。同い年の高齢者同士なので、昼飲みの前にどこかへと。
友人、梅が見たいというので、都内でどこかと思いめぐらす。そういえば小石川後楽園のどこぞに小ぶりの梅園があったことを思い出す。
小石川後楽園には去年の暮に一度行っている。ここのところ都内回遊式庭園についてのレポートを書くため、浜離宮、小石川後楽園、六義園と庭園巡りを続けている。とりあえず2月中に一本提出したのだが、その過程で諸々切り口があるなとは感じた。おそらく卒業レポートも回遊式庭園になる予定。ということで個人的にはネタ探しという訳でもないが、今年1年は庭園巡礼を続けるつもり。
暮に小石川後楽園に来た時にあらかた感想や基本知識については書いた。
小石川後楽園に行く (12月11日) - トムジィの日常雑記
前回は紅葉の頃だったので、今回はまあ主目的の観梅について。
とはいえ小石川後楽園は現在のメインの入り口である西門から入るとすぐに、この現代的な建築物の光景が入ってくる。左手に文京シビックタワー、中央に東京ドーム、右手に東京ドームホテル。見事な現代的借景景観だ。

夕刻、ナイターやライブが行われていれば、歓声の声が響いてくるような距離である。小石川後楽園は水戸徳川家の藩祖徳川頼房が水戸家中屋敷に造営を開始し、二代目光圀が完成させた。あの水戸黄門の光圀である。史実では光圀は水戸家領地内を巡ることはあったらしいが、もちろん諸国を漫遊したというのはフィクションである。助さん格さんにはモデルがあり、助さんは佐々介三郎、格さんは安積覚兵衛、二人とも光圀の側近として仕え、光圀が手掛けた『大日本史』の編纂に従事したということらしい。
【水戸の歴史 其の拾陸】助さん&格さんのモデルとなった人物 | デベロ周年サイト
それはそれとして、西門から入り園内の前景と遠景の近未来的な高層ビルとドームを目にすると、どこか不思議な感覚もある。本来の正式な入り口であった一番奥にある唐門は上屋敷と庭園を隔てる結界の役割をもっていたという。上屋敷の俗なる世界と、桃源郷あるいは神仙世界として造園された庭園の結界である。今では伝統的な庭園と現代世界との間の結界のごとくに。
西門をくぐった水戸光圀は園地の遥か向こうに未来のTokioを幻視する。そして格さん助さんを引き連れて、未来都市東京を漫遊する。そういうお話を誰か作ってくれないかと、これはちょっとした思いつき。
実はかれこれ20数年前に、小石川後楽園のすぐ近くにある会社に勤めていたことがあった。それこそ昼休みちょっと日向ぼっこにでも行けそうなところだった。ただ当時は庭園巡りなんて趣味は持ち合わせていない。毎日、地下鉄後楽園駅を降りて築地塀沿いを歩いて出勤していたが、その塀の中はうっそうと樹木が茂っていて、ここは何かの公園なのかくらいことしか考えたことがなかった。仕事は忙しく、無教養な凡人にはそこがどういうところかなどと考える余裕もなかった。
そんな話を友人にすると、「昼休みに金払って庭園公園でサボるようなサラリーマンは問題社員だろう」と軽くいなされた。当時、こうした文化財庭園に少しでも関心があったら、午後休みをとって出かけていったりしたかもしれない。まあどうでもいい話だ。
梅林
小石川後楽園の梅林は、西門から見ると、中央の大泉水の左手にある。今回は、大泉水の右側から周り、見立ての木曽川、寝覚め滝を通り、唐門へと歩を進めた。



内庭の向こうは当時は正門だった東門がある。左手が東京ドーム、中央はTCN DOME STUDIO SPEED 放送センター、右手はウィンズ後楽園。
唐門から左に築地塀沿いに歩き赤門を抜ける。西門から見て園内の一番奥を回る感じだ。赤門から少し戻ると右手に梅園が広がる。梅はほぼ満開に近い。
園のホームページによれば梅まつりは2月1日(土)~3月2日(日)までということらしい。そういう意味では梅まつりは最終版に近い時期なのだが、梅は今が満開という感じである。やはり今年の冬は寒かったこともあり、開花は遅れ気味だったのかもしれない。二週間前の湯河原の梅園は一部も咲いていなかったくらいだったから、都内も同じような状況が続いたのかもしれない。















メジロ




梅の木々の中をせわしなくメジロが花から花へと移動している。かなり至近にいるのだが、人のことはあまり気にしていない。人がいるのに慣れているということだろうか。観光客もめったにないシャッターチャンスとばかりにスマホを向けている。
花から花へと飛び回るメジロはなにをしているかというと、友人曰く花の蜜を吸っているのだそうな。そしてメジロは同時に花粉を別の花に運んでいる。そうミツバチと同じ役割をしているのだとか。小鳥が受粉を助けるというのは、無学な自分には初耳的である。ネットで調べるとメジロは甘党の鳥なのだそうな。
”甘党”の鳥「メジロ」、春には梅の花の蜜を吸っています | 所沢なび
メジロは何匹も梅の木の中を渡っている。紅梅に行ったり白梅に行ったり。


園内巡り










光圀が18歳の時に、史記「伯夷列伝」を読み感銘を受けて、伯夷・叔斉の木像を安置した堂。関東大震災や戦災の被害も受けず、創建時のまま残った園内唯一の建物。