日記についてのよもやま

 2月の後半から日記をつけているが、これがけっこう続いていてほぼかかさず書いている。使っているのはGoogle keepだ。いろいろ日記アプリの類も考えたけれど、スマホで外出時などに気軽に書くことができ、パソコンとも同期してとなると、ある程度限られる。広告もできればない方がいいし、課金されない方がいい。そうなるとメモアプリを換用するのが一番かと思った。

 メモアプリはリタイアしてから使い始めた。主に学習用でノート代わりに使っている。最初はSimplenote一辺倒だったが、テキストだけとか文字装飾がマークアップのみというので、やはり見栄えというか後から読み返すときに強調とか、蛍光色で塗るとか、なんなら画像も添付したいとかそういうことでOneNoteも併用するようになった。一時メモとか思いつきとかそういうのにはSimplenoteを使い、きちんとした体裁のノート作成にはOneNoteみたいに併用して2月の後半から日記をつけているが、これがけっこう続いていてほぼかかさず書いている。使っているのはGoogle keepだ。いろいろ日記アプリの類も考えたけれど、スマホで外出時などに気軽に書くことができ、パソコンとも同期してとなると、ある程度限られる。広告もできればない方がいいし、出来れば課金されない方がいい。そうなるとメモアプリを換用するのが一番かと思った。

 

 メモアプリはリタイアしてから使い始めた。主に学習用でノート代わりに使っている。最初はSimplenote一辺倒だったが、テキストだけとか文字装飾がマークアップのみというので、やはり見栄えというか後から読み返すときに強調とか、蛍光色で塗るとか、なんなら画像も添付したいとかそういうことでOneNoteも併用するようになった。一時メモとか思いつきとかそういうのにはSimplenoteを使い、きちんとした体裁のノート作成にはOneNoteみたいに使い分けている。

 

 日記も最初はSimplenoteかOneNoteでとも思ったが、Simplenoteはテキストだけだし、OneNoteは画像添付、文字修飾など機能満載、ただしけっこう重い。そして一番の問題は検索機能が弱いのと、分類化はタグ付けやタグの管理が必要になる。さらにいえばすでに学習用でけっこうなノートを作っているので、それと日記がごちゃ混ぜになるのもちょっと困る。

 そんなこんなで取り合えずGoogle keepを使ってみることにした。

日記について - トムジィの日常雑記

 

 使ってみると確かに書くのには割と適している。スマホでもパソコンでも書く分には軽快な動きだ。ただしGoogle keepもまた検索機能はほとんどない。当初、毎月のタグを例えば3月なら「202403」みたいにつけて、月次の日記を呼び出すみたいなことを考えた。でもGoogle keepのタグは最大で50。単純計算すると4年と少しでいっぱいになる。まあそれまでに死んでしまえばいいのだけれど。

 なのでこの月次タグは今は使っていない。そして前の月とか、もっと前の月や日にちを読み返すととなると、ひたすら手動でスクロールしていかなくてはいけない。これはちょっとやっていられない。デジタル日記は過去を振り返ってはいけないと、まあそういうことなのかもしれない。

 

 Google keepでの日記は日々を綴るためにはけっこう快適ではある。画像添付も簡単だ。それもあってか3月からは毎日欠かさずつけている。生涯ずっと三日坊主で生きてきたジイさんが、この歳になって日課ができている。これはある意味凄いことだとは思う。ただし前述したようにGoogle keepも見返す部分では手動操作でとにかく遅い。ネット環境でも数か月遡るのはけっこうストレスを感じる。

 本当は日付やキーワードなどからいついつの記述みたいなことが、すぐさま検索できればいいのだが、そうしたデータベース的な機能を追求すると、多分日記アプリとしては動きは重くなる。スマホなどで外出先で気軽に使うことはまず難しいだろう。

 そうなると違うアプリも検討したくなる。日記は3月からつけ始めたのでまだ7ヶ月かそこらだ。これが何年も使っているとなると、データのエクスポートやインポートもかなり煩わしくなるに違いない。たかが日記ごときでしかもなんの徳にもならないことに、ただでさえ少ない時間を費やすのもなんだなと。

 ネットでググると究極の日記はカレンダーアプリを使うのが一番という記事なども目にする。確かにカレンダーアプリで月次単位で一画面でスケジュールを見るのが一目瞭然である。システム手帳やそれ以前の能率手帳を使っているときも、スケジュール管理は見開き2ページの月次スケジュールに書き込んでいた。週次単位の見開き1ページで一週間のものは業務日誌的な使い方だった。

 結局のところ手帳での管理が一番見やすくわかりやすいというのが、自分のアナログ的経験だったりもする。となると見開き月次でスケジュール管理するとなると、Googleカレンダーが一番ということになる。

 キャリア末期の2017年あたりだったか、自分でもそれまでのシステム手帳とGoogleカレンダーを併用するようになった。基本は手書きの手帳が一番、それを手間ではあるがパソコンで入力した。それから職制にもそれぞれパソコンを貸与しているので、スケジュールを共有した。会社のスケジュールと各セクションごとのカレンダーを別にするといった使い方だったか。

 小さな会社で万事アナログ的な物流会社だったが、それでも積極的に登用した若い管理職にはけっこうスキルアップにもつながっていたのではないかと思ったりもしている。

 今でも通院などのスケジュールはGoogleカレンダーにつけている。暇な年寄でも自分と妻の通院は月に何度もあるので、なにもしないとつい忘れがちになる。家族カレンダーとして自分と妻で共有して、どちらで登録しても見ることができる。まあ妻は家の壁掛カレンダーしか実は見ていない説もあるにはあるけれど。

 

 ということでいっちょうGoogle keepに綴った日記を、Googleカレンダーに転記しよう思い立った。といってもデータ移行は多分その気になればできるのかもしれないけれど、それは自分の範疇ではなさそうなので、律儀にコピーアンドペーストしてみた。まあたいした分量ではないので、2~3日で作業は終了した。画像類はGoogleドライブにアップしないといけないので、あくまでテキストだけである。

 するとけっこう一目瞭然的に日記をつけた日、そして月ごとに遡ることは軽快にできる。けっこういいかもしれないなと思った。当面はGoogle keepで綴って、3日とか一週間くらいでGoogleカレンダーにマニュアルで書き出すという併用だ。むかしシステム導入時や新システムに切り替えるときには、紙とシステム、旧システムと新システムの併用とかを何度も経験している。業務的にはダブルチェックみたいな感じだろうか。

 Googleカレンダーの一日ごとの表題は基本的に「db」に統一した。日記は「diary」だが、一般的には「day note」なのだとか。なので「db」。

 

 

 人はなぜ日記をつけるのか。藤原実資の『小右記』ではないがひたすら記録することにはなにかしらの意義があるのかもしれない。『小右記』は知識人でもある高級貴族官僚が記録魔に徹して綴り続けた日記であり、今では第一級の史料でもある。大日本古記録を最初に手にした時には、誰がこんなものを買うんだろうねと思ったものだ。東大史料編纂所による大日本古記録の『小右記』、『中右記』、『御堂関白記』などは隔年、もしくは不定期でだいたい毎年、年度末の3月に刊行されていたように記憶している。あれはまあ史学科のある大学図書館には必ず入っていないといけない書籍だったのだと思ったのは、ずいぶんと後になってからのことだ。

 どうでもいいが『光る君へ』で藤原実資を演じるロバート秋山は味のある演技をしているけれど、基本あれはミスキャストだとは思う。実資はもっと知的な人であり、記録魔であることからすると、秋山のキャラとは違い過ぎるだろうと思ったりもする。それでもなおあのキャラクターは面白いけれど。

 

 人生の第四コーナーをゆうに周っている自分はなぜ日記を綴るのか。特にこれといって理由はない。何かを残したいという願望でもあるのか。少しはそういう助平根性もきっとあるのだろうが、多分そういうのではない。単純に暇だから。いやいや無職の老人も意外と日々忙しかったりもしている。

 

Today is the first day of the rest of your life .

 サム・メンディス監督のコメディ映画『アメリカン・ビューティー』の冒頭で語られる格言だ。もともとはアメリカの薬物中毒者救済機関であるシナノンを設立したチャールズ・ディードリッヒの言葉だという。

 「今日という日は、残りの人生の最初の日である」

 若い人々にとってはなんとなくシニカルな響きがするかもしれないが、人生の第四コーナーを回った年寄には、なんとも胸に染み入る言葉でもある。多分、自分が柄でもない日記を綴るようになったのは、おそらくこれである。毎日が、相当に残り少ない人生の最初一日という自覚。自分が日記を書くのは、死という結末から逆算した最初の一日を綴るということ。結末を強烈に意識しているからなのかもしれないなと、ちょっとだけ思ったりもした。