西洋美術館常設展 (10月13日)

 常設展は9月13日に来ているのでほぼ一ヶ月ぶりである。

 その間に確か一週間程度休館があったと記憶しているのだが、そこでかなりの展示替えが行われていた。

 2Fの②~⑥まで、ルネサンスから近世までのところはほとんど変わりはないが、新館の側の⑦~⑨、さらに1階に戻った⑪、⑫も大幅に変更となっていた。特に⑨についてはずっとモネの部屋だったのが、他の印象派作品が侵食しモネの絵も分散されている。

 これまで現代絵画の間であった⑫は、つい最近まで大成建設のコレクションを中心にコルビジェの作品が多数展示してあったが、ここに新収蔵品、寄託品の新展示をからめた企画展示になっていた。

 特に前回の企画展で初お目見えとなっていたカッレラの《ケイテレ湖》との関連で水にまつわる作品が集められていて、そこに西洋美術館の目玉でもあるモネの《睡蓮》も展示してあった。こういう企画にあわせて所蔵品の展示場所を変えるというのは、当然ありなんだけど、展示場所が定着している名画についてはそれを変えるのはどうなんだろう。ツィッターでも、《睡蓮》の場所を監視員に聞くお客さんが数人見られたみたいなツィートがあったけど、なんとなく首肯できる。

 ちょっと極端な例かもしれないが、例えばルーブルで《ニケ》や《モナリザ》の場所は多分永遠に変わらないはずだ。それは歴史的にも展示場所が定着している。西洋美術館においてもモネの展示場所はすでに定着しているのではと思ったりもした。

《春(ダフニスとクロエ)》 ミレー 1865年

ナポリの浜の思い出》 コロー 1870-72年

 この2点、特にコローはなにか久しぶりのような気がした。縦長の2作品が並列して展示してあったのがちょっと印象的だった。

 

《トルーヴィルの浜》 ブーダン 1867年

 これも好きな作品の一つだ。今回ちょっとじっくりと観ていると、ちょっと面白い発見というか細部の描写が楽しめた。この手の集団が描写されている絵は意外と細部が面白いかもしれない。

 

 

《池のほとり》 ブーグロー

 初展示の寄託品らしい。画像はネットで拾ったが複製品かもしれない。これは美しい見事な作品。⑫室に初展示というキャプションで同じブーグローの《音楽》と並列して展示してあったが、出来れば《少女》と一緒の方が良かったかもしれない。観る者を引き込むような眼差し。ブーグローの神髄のようなものを感じる。