鎌北湖周遊からの高麗神社周辺

 昨日は朝から妻の通院につきそう。妻の通院は近所で一番大きな病院での二ヶ月に一回脳神経内科とそれとは別に駅向こうにある内科クリニックでの月に一回糖尿外来。17年前にやった脳梗塞によって片麻痺となった妻にとっては、脳神経内科の通院がある意味一番重要なんだが、障害が固定され、再発リスクもほとんどないようなので、毎回の通院では主治医から「お変わりありませんか」の問いに「別にありません」と答えて終了。診察時間は1~2分程度である。たまにしばらくやっていないからと検査を勧められることがある。今回もMRIをそろそろと言われたが、別途予約をとる必要があるので、まあ次回の診察のときにでもということになった。

 妻の脳梗塞についていえば、原因はずっと不明なままである。最初に入院して手術を受けた国際医療センターでも、国リハでも、そして発症数年後に埼玉医大に検査入院して調べてもらったときにも、いずれも脳梗塞の原因は不明なまま。

 当初の診断で内頚動脈が他の人より若干狭いため、そこでなんらかの理由でできた血栓がおきて脳梗塞となった。その後、詰まりが解消された時に一度に血流があってクモ膜下出血となったとか、そんな説明があった。

 埼玉医大では心臓の検査を受けた。心臓の裏側から検査を行うということで経食道超音波検査というのだが、結局それでも原因はわからなかった。 

妻の入院 - トムジィの日常雑記

 まあそういう諸々もありつつ、結局発症以来再発もしていないので、障害は固定されているし、再発のリスクもほとんどないまま年月を経過している。結局のところ偶発性のものだったのだろうとしか考えられない。病気になることや障害者となるのは、ほとんどが確率性というよりも蓋然性に委ねられているということなのでしょう。

 通院が終わり、いつもの筋弛緩剤の処方を薬局でもらってからは時間が空く。まだ昼食にも時間があるのでということで妻の誕生日プレゼントを買いに行くことにする。そう、8月15日は敗戦記念日ではあるけど妻の誕生日でもある。そういえばコロナのどさくさで昨年は誕生日も還暦のお祝いもせずにいたので、なんとなく心苦しいものがある。とはいえお互いに60を過ぎてお祝いだのなんのというのもなんではある。

 しかしプレゼントとなると、妻の目の光りかたも違ってくる。割と近くにあるブランドもののショップに行き、小一時間バッグやら光りモノなどを物色。結局候補となったなかで一番高そうな高知のバッグを買うはめになった。まあいいか。

 その後は郊外に出来た中規模のショッピングセンターに行って昼食をとる。それからどこかへ行きたいという妻のリクエストで出かけたのがここ。

鎌北湖/毛呂山町

鎌北湖 - Wikipedia

 ここに来るのは多分二度目くらいだろうか。1935年(昭和10年)に出来た人造湖である。ウィキペディアをみると「アメリカで起こった世界恐慌の対策として行われた公共事業のひとつ」とある。そうか、スケールは違えど鎌北湖はニューディールのTVAみたいなものだったのか。

 しかしここは「うらぶれた湖」という印象が強い。まあ湖の周囲にあったホテルや旅館が廃墟化しているせいもある。なんか独特な閑散とした雰囲気で、ここは多分夜とかには訪れたくないかもしれない。まあ若者が肝試しとかで騒いでいそうな気もするが。

 とりあえず奥まったところにある駐車場に車を止めて、車椅子で湖を半周する。以前は一周できたらしいのだが、対岸の道路はどうも閉鎖されているっぽい。

 湖に沿って歩いていくと、ヘラブナ釣りをする人たちが湖岸にポツポツといる。湖面をよく見ていると、けっこう魚影が濃い。まあそれが楽しいのだろうけど、悠長に釣りをするよりもあの魚影目掛けて投網でもしたらとか、つまらないことを思ったりもした。多分、自分は一番釣りとかが似合わないタイプかもしれない。

 途中で、かなり大きなキャンバスを広げて油絵で風景画描いている女性がいた。パッと見だけど写実的で美しい絵だったと思う。こういう趣味もいいなとは思うが自分には多分縁がない。

 湖の途中にある第二駐車場のあたりまで行ってから引返すことにする。途中、うらぶれた釣り宿だかのトタン張りの一角にやる気のなさそうなネコが二匹昼寝している。人馴れしているのと、人をほとんど怖がる様子もなく、ただただ弛緩している。

 鎌北湖には一時間くらい滞在しただろうか。車に戻ったタイミングで大粒のにわか雨が降って来た。途中ですれ違ったスポーツカーがオープンにしていたけど、あれ慌てて幌出したんだろうかとちょっと心配してみた。

 鎌北湖を来た道下ってきたら、宿谷の滝という看板があったのでまた山道を少し走ってみる。滝の入り口という看板がある附近まで来たのだが駐車場らしきものがない。数台が道路の脇に車を止めているのだが、多分そこから滝まではかなり山道を歩きそうなのでさすがにそれは車椅子では無理と断念する。

 その後、車だと割と近くなので高麗神社に寄って参拝し、いつものように聖天院の方を少し散歩して帰ることにした。8月15日はそんな風にして過ごした。