杁ヶ池公園と長久手 (5月14日)

 名都美術館を閉館の5時ちょうどに出る。5月となると5時台だとまだ明るい。ナビを見ると近くに比較的大きな公園があるのでちょっと行ってみることにした。って、これが地元埼玉ならともかく、これから3時間以上のロングドライブするというのに、なにを自殺行為みたいなことしているのか。とはいえお散歩好きな妻は大喜びである。

 そして駐車場を見つけ入ってみた公園がここ。杁ヶ池公園・・・・・・、読めない。

 調べると「杁ヶ池」で「いりがいけ」と読むようだ。これって地名を電話とかで説明すると「木へんに入るで入り、小さいカタカナのケに池でイリガイケです」とでもいうのだろうか。

杁ヶ池公園 - Wikipedia

杁ヶ池公園|手軽に水遊びができる水遊び場が人気の公園 - 愛知まるっとパークガイド

 市街地に大きな池のある公園である。一周すると中々気分が良い。5月、若葉が頃ということである意味一番良い季節ということだ。池の周りの小径は多少アップダウンはあるが、車椅子を押していてもさほど苦にもならない。池の途中に橋があり、そこを渡るためには多少の階段を降りる必要はある。

 橋にはもう子どもの日は遠に終わったというのに鯉のぼりが上がっている。そして橋の途中ではアジア系の若いお嬢さんたちがスマホの音楽(アジア系ポップスみたいなの)流しながら、踊ったり笑ったりしている。なんとなくシカゴの「サタデー・イン・ザ・パーク」を思い出すような景色だ。

 それにしても長久手というと思い浮かぶのは小牧・長久手の戦いくらいである。小牧はというと、大昔、トーハンの物流センター、中部ロジスティックセンターなるものがあり、名古屋に出張すると必ず寄るようににしていた。たしかあそこは名鉄犬山線岩倉駅まで行き、そこからタクシー使っていったような記憶がある。

 地図で確認すると小牧市長久手市はけっこう離れていて、間に春日井市名古屋市尾張旭市がはさまれている。小牧・長久手というが春日井や尾張旭はどうなってるねんとちょっと突っ込みたくなるような。

 最初、小牧と長久手はほとんど同じような場所という風に思っていたので、自分の知っている30年くらい前の小牧の風景と長久手の風景がまったく結びつかなかったのだが、まあこれだけ離れていてはと納得した。といっても多分、小牧の方も相当に変わっているのだろうとは思う。なんといっても30年という月日の流れは、特に都市部ではもの凄い変貌きたしているはずだから。

 改めて愛知県の地図を見てみると、豊田市岡崎市新城市の三市はかなり広いということがわかる。関東というか埼玉の辺境に住んでいる側からすると、愛知は関西や伊勢志摩とかに観光するときに通過するところでしかないという印象だ。

 これまででも愛知県内で観光したというと、ここ10年かそこらだと名古屋城熱田神宮に一度ずつ行ったことがある。2016年には名古屋ボストン美術館ルノワールの企画展に行ったことがある。この美術館は慢性的な赤字が続いていたため2018年に閉館となってしまったのだが。あと思いつくのはたしか2014年だったか、犬山近辺に宿をとって明治村に行ったこともあった。そうやって思い出してみると、まあそれなりには観光しているみたいだ。

 愛知や岐阜は史跡も多いし、元気なうちに行ってみたいところはけっこうあると思う。知らない場所、知らない町、通り過ぎるだけでも車で走らせるのが好きだ。今は日本全国どこへ行っても同じようなロードサイドの店、ファミレスだのユニクロだの、ニトリだのと同じ顔した店が並んでいる。それでも知らない場所、名前を耳にした町などを通るのが好きだ。

 もう若くないことは十分理解しているし、何度も繰り返しているが、今みたいに車運転してあちこち出向けるのも、せいぜい後4~5年というところだろう。それでも知らない場所を車で走らせるのは楽しい。

 愛知県の長久手市に木へんに入ると書いて杁るの杁ヶ池公園。そんな初めて知る場所を散歩できたのは嬉しいことだった。