週明けの通院と鉢形城址

 午前中、妻の定期通院に二つ付き合う。

 一つは近隣で一番大きな病院での神経内科

「お変わりありませんか」

「特にありません」

 特に待たされることもなく、診察も1分以内で終わる。いつものように筋肉の緊張をほぐす弛緩剤を処方してもらう。待合から会計まで全工程10分程度。大病院でこのシステマチックなところが素晴らしいが、検査も何もない神経内科での通院なんてこんなものだ。

 その後、駅の近くにある内科医院へ。ここは糖尿のかかりつけ。週明けのせいかこちらはえらく混んでいる。採血から診察、処方箋をもらうまでなんだかんだで2時間近くかかる。その間、密にならないようにと、付き添いの自分は近くのマックで待機。

 以前、医院に近いスタバで待っていたが、最近はマックにいることが多い。コーヒーをアップルパイで250円。年金暮らしなんてこんなものだ。

 通院の後はカミさんの希望でドライブに。最初、坂戸のラーメン屋を目指すが月曜日でお休み。そのまま東松山から都幾川の方へと進み、気がつけば嵐山、小川町の方向へ。なんとなく八高線と同じルートを遡上しているような感じである。

 昼もだいぶ経ってから花園近辺に来て、道の駅の遅い昼食を小休止する。食事は前から気になっていた大根蕎麦を。土日は混んでいるところだが、月曜の午後はガラガラ。店内の雰囲気、システムは丸亀製麺と同じよう。大根蕎麦は想像していたとおりのものが出てきて、味もだいたい想像した通り。まあ普通でした。

 それから鉢形城公園に行ってみることにした。

鉢形城公園案内 - 寄居町公式ホームページ

 月曜日のため歴史館は休館。歴史観の奥が公園になっているのだがそちらも入ることができない。地図を確認すると裏に公道が通っているので、そちらに回ると公園内には普通に入ることができる。園内には特に駐車場がある訳でもないのだが、それらしき広場があり、数台車が駐車しているのでその横に止める。大学生らしき数名のグループがなにやら集まっている。バーベキューでもないのだが、なんとなく車座になって話をしている。

 こちらは城址公園内をなんとなく散策する。鉢形城址をなんとなく覚えていたのは、先日行った伊豆下田の上原美術館で観た安井曾太郎の絵を観たから。

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「桜と鉢形城址」(安井曾太郎

 安井曾太郎は戦時中、寄居町に家族と共に疎開していたという。この作品は1945年のもので玉淀河原の桜と荒川超しの鉢形城址を描いている。荒川の対岸から鉢形城址を見ているのだ。そして河原のがけっぷちの向こうはというとこういうような城の址が広がっている。

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 桜の時期は終わりかけているので、緑はあれど花の色どりはないという感じではあった。

 しかし1945年の春、戦禍の荒廃は埼玉の奥深くにはあまり迫っていなかったのか、安井の絵にはのどかな風景が広がっている。画家が見た自然の風景、それを写し取る表現には戦争の悲惨さとは真逆な平穏がある。それを現実逃避といったら語弊があるだろうか。

 絵を観た時に、なんとなくこの絵の舞台を見てみたいとそんな思いがあった。というわけで一月も経たないうちにやってこれたというのも、ディープ埼玉に住んでいるからということになるのだろう。鉢形城址の風景については特に感慨もなく、まあよくある自然豊かな公園というだけである。出来ればもう少し早い桜の時期に、安井が見たという荒川超しの風景を来年あたりは見に来たいと思った。そして出来れば歴史館の方も。