エクストリーム・ジョブ

 久々、面白い映画を観た。友人に話していたら、「話してるお前の顔見ているだけで、映画の楽しさが伝わる」とか言われた。

 アマプラとNetflixどちらからも配信されているのだけど、さてどっちで観たのかがちょっと定かじゃない。

 

エクストリーム・ジョブ - Wikipedia

 とにかくシチュエーションが総ての映画ともいえる。

 ドジ、失態の連続で検挙実績があがらないため解体寸前の麻薬捜査班が起死回生の捜査を行う。犯罪組織の事務所前にあるチキン屋(多分、ヤンニョムチキンを出す店)で潜入捜査を行う。しかしその店は売上不振のため店を閉めるという。捜査継続のため捜査班の班長は退職金を前借してチキン屋を買い取り捜査を進める。

 チキン屋続行のため捜査員はまずチキンの作り方を研究、捜査員の一人が味覚、調理に優れていたため調理担当にする。この捜査員、実家が焼肉屋で味付けのタレを焼肉のタレにして出したところ思いのほか好評、口コミを通じて店は大繁盛してしまい本来の潜入捜査にも支障が出るようになってしまう。もうこのくだりが最高におかしい。おまけにテレビからも繁盛する店として取材までくるようになってしまう。

 これではいけないということになり、値段を倍近くに上げてみたら、客層が代わりインスタ映えする隠れた名店ということになってさらに忙しくなる。おまけに日本人観光客のツアーまで来るようになってしまう。旗をもったガイドが日本人を連れてゾロゾロ入ってくると刑事たちが声を揃えて「イラッシャイマセー」と叫ぶシーンなどは抱腹ものだった。

 韓国ドラマや映画ではけっこう日本人オチョクられているのかもしれないなとは思ったが、まあいいか。日本人は同じような行動スタイルをとるので、戯画化されやすいということなのでしょう。かっての欧米映画とかでも七三分けにメガネ、カメラを提げた小男というのは日本人の定番だったように思ったりもする。『ティファニーで朝食を』のユニオシさんとかね。

 取材を断られたテレビ局は、同じ材料で値段を倍に釣り上げた不良店として告発し、ようやく店は閑古鳥が鳴くようになる。すると今度は犯罪組織からチェーン展開を提案されて・・・・・。

 シチュエーションの面白さとともに刑事たちのキャラクターが際立っている。ボケボケや過剰で空回りなどのキャラが実は格闘技の達人だったりとかある種の意外性もあったりして。

 ストーリー的には割と先の読める展開だが、随所にちりばめられたギャグとキャラクターの面白さでグイグイと引っ張っていく。ダレることなくラストまでいく。なんとなく古いアクションドラマの雰囲気もあるが、多分これは狙ってやっている感もある。

 この映画、2019年に韓国で国内興収1位になったという。さらにハリウッドでのリメイクも決まっているとか。韓国映画は侮れないなとは思った。第一級のコメディ映画だと思いました。

 韓国式チキン、ヤンニョムチキンのレシピも一応調べるとコチュジャンベースでケチャップや醤油をまぜたタレに漬け込んで揚げ焼き、最後に煮るというものらしい。今度作ってみようかと思っている。

 さらにはこの映画の中で評判となった水源カルビ味チキンもちょっと食べてみたい。