世界貿易センタービル建て替え

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元日本一のノッポ生まれ変わる

世界貿易センタービル東京・浜松町で建て替え

 東京・浜松町のランドマーク「世界貿易センタービルディング」が30日で閉館し、解体工事に入る。高さ152メートルのビルは、1970年の完成当時「日本一」を誇った。その名の通り、「貿易振興の重要拠点に」という、日本経済界の期待を背負って生まれた。それから半世紀余り。ビルの役割も街の風景も変わったが、ビルをみつめる人たちの愛着はそのままだ。ビルは2027年、新たに生まれ変わる。(北沢拓也

元日本一のノッポ、生まれ変わる 世界貿易センタービル、東京・浜松町で建て替えへ:朝日新聞デジタル

  そうか世界貿易センタービルが解体になるのか。日本最初の超高層ビルとして1968年に開業したのが霞ヶ関ビル(147メートル)だったが、それに次いで1970年にできたのが世界貿易センタービルで高さ152メートル。たぶん自分は中学生くらいだっただろうか。高度経済成長のある種のシンボルとして、超高層ビルは子ども心になんとなくワクワクさせられた。兄と二人で霞ヶ関ビルやこの世界貿易センタービルのあたりを見物に行ったことを覚えている。多分、新宿の超高層ビル群が建つまでは日本一の高さを誇っていたのではないだろうか。

世界貿易センタービルディング

 そしてもう一つ、このビルには特別な思い入れがある。

 恥ずかしながら結婚式をあげたのがこのビルに入っている結婚式場スカイホールだった。

【公式】PENTHOUSE THE TOKYO by SKYHALL | 東京都港区の結婚式

 自分は30代の後半だったから結婚式などどうでもいいとは思っていた。でも妻はというと30代半ばとはいえ四人兄弟で最初に結婚するということで、式をやらないという選択肢はなく、とりあえずどこかででやらねばと二人で都内の式場探しに奔走した。妻の実家が長野で、親族が列車で来るので理想は上野周辺、もしくは上野からアクセスのいいところでかつ比較的割安なところということで選択肢を絞っていった。

 式場選びというとやれ広さだの、料金プランだの、料理だのと様々なことを考えるのだが、最終的には高いところでやれば展望とかそのへんで諸々ごまかせるのではという、訳のわからん理由をつけてスカイホールにした。

 結婚式の写真に写る自分はというと、ほとんど死にそうなくらいに暗い顰めっ面をしていて、友人たちからは「よっぽど結婚したくねえんだな」と揶揄われたが、実際あの数時間は悪夢のようだった。とはいえやはり建物がなくなるとなると、淋しい思いがある。

 多分、解体立て直しはけっこう前に決まっていて発表もされていたのかもしれない。そのニュースをもっと前に知っていたら、一度妻と行ってみてもよかったかもしれない。電車を乗り継いでいけば車椅を押していても行けないところではない。ましてあのビルは浜松町駅に直結しているのだから。

 1970年開業だから51年、自分たちの結婚からは26年くらいになる。20世紀も遠くに過ぎ去っていくということだ。新たなビルは2027年に高さ235メートル、地上46階建てとなる予定だ。

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