今回も宿は健保が契約しているホテルネムである。
【公式サイト】NEMU RESORT ネム リゾート（旧合歓の郷）｜伊勢志摩 リゾート施設
2年前に泊まったときにも書いたことだが、ここはもともとはヤマハリゾートが運営していたリゾート施設合歓の郷だったが、2007年に三井不動産に売却され、2017年にNEMU RESORTに改称された。
今回、フロントの人とかにも聞いたのだが、昔あった施設がことごとく廃止されたり、建物自体が取り壊されたり、一部残っていても運営主体が変わったりしているという。最初に来たのは子どもがまだ1歳になるかならないかの頃なので20年以上前になるが、その時はホテルではなく点在するコテージに泊まった。ヴィラという名称の広い施設だったが、それ以来泊まることはなかった。今はヴィラはほとんどが取り壊され、一部残っているものは運営が別会社に移っているという。
そういえばその時はたしかフランスワールドカップが開かれていて、深夜一人でフランスとイタリアの準決勝を見ていた記憶がある。あれは0-0のままPK戦となり開催国フランスが辛勝したんだったか。得点こそ入らなかったがけっこうスリリングな試合展開だったような気がする。
ネムリゾートの施設でいえば、以前はホテルに隣接した温泉施設があったのだが、これも取り壊されてしまった。さらにいうとリゾート内には合歓の郷のシンボルともいうべき野外ホールがあった。そこではヤマハポピュラーコンテストが開かれていた。といっても合歓の郷で開かれたのは1969年から1973年まで5年間で通算6回だけであり、それ以降はつま恋リゾートに移った。
このポプコンから世界歌謡祭へという流れでグランプリを獲得した代表的な歌曲は小坂明子の『あなた』ということになるだろうか。1973年、彼女は16歳だった。ほぼ同世代のちょっと太めの女の子の出現はけっこう衝撃だったか。
合歓の郷ではポプコンの他に合歓ポピュラーフェスティバルが開かれていた。
ここから生まれた歌では1970年赤い鳥の『翼をください』、1971年上条恒彦・六文銭『出発の歌-失われた時を求めて」か。そうもはや名曲中の名曲としておそらく音楽の教科書にも載るだろう『翼をください』の初お披露目は合歓の郷の野外ホールだったということだ。
たぶん2008年、3度目に訪れた時にリゾート内をカートであちこち行った時に野外ホールで少し遊んだような記憶がある。もうすでにホールは使われていないせいか、荒れ果てていたがステージも客席もきちんとあった。ここで赤い鳥やオフコース、六文銭、小坂明子、チューンガム等が歌ったのかと、少しだけ感傷的な気分になった。
今回、野外ホールのあたりを少し車で行ってみたが跡形もなくなっていた。聞けばかなり前に取り壊されてしまったということらしい。フロントの人の話では、空き地になっているようですとのことだった。昭和は、20世紀は遠くになりにけりということだ。
