伊勢から鳥羽へ移動。鳥羽水族館へ行く。ここに来るのも2年ぶり、通算5回目くらいになる。還暦過ぎたオッサンと車椅子の妻の二人で水族館というのもなんだが、基本水族館は二人ともに嫌いじゃない。自分は小学生の頃は磯遊びが大好きな子どもだった。買ってもらった魚介類の図鑑を暇があればずっと見ているような子どもでもあった。将来の夢はといわれると海洋生物学者みたいなことを口にしていた。
昭和天皇がウミウシの研究者だというのは有名だったが、葉山の御用邸で夏を過ごし、相模湾のウミウシを研究しているというのに妙に親近感を抱いたりもした。さらにいえばクストーの記録映画を観たり、ハイエダールの『コンチキ号漂流記』を愛読していた。
油壷にある水族館というと京急が経営していた油壷マリンパークが有名だが、自分はその近くにある東大の小さな水族館にワクワクするような子どもだった。そういえばまもなく油壷マリンパークも閉館となるようで、それはそれでちょっと淋しいものがある。
そういう出自があるので、水族館というとついワクワクしてしまう。それは幾つになっても同じである。特に鳥羽水族館には屋外に長い水槽が置いてあり、ヒトデやナマコや魚を触ったりできるようになっている。子ども向けの触れ合い広場みたいなところだが、これに目がない。いい年したオッサンがニコニコしながら、生き物触っている。
今回はというと主にタコとエイが水槽にいて自由に触ることができる。タコはすぐに逃げるのだが、吸盤が手に触れるときの感触がなんつうかたまらない。エイはというとちょっとヌメリ感があってこれもまた気色悪くてちょっと嬉しい。
とはいっても妻はそういう嬉々としてるオッサンをあきれ顔で見ていて、そのうち車椅子を自走して屋内の水槽に行ってしまう。そこでおさわりはやめて妻の後を追うことにする。
この水族館は入場者の8割が大人だという。実際、こうやって何度も来たくなるのは、極端にショーアップされていないこと、さりとてアシカショーやセイウチショーなどポイントを押さえたショー、そしてジュゴン、バイカルアザラシ、イロワケイルカ、スナメリ、ラッコなどの行動展示が飽きさせないからだと思う。何度も来ているので、なんとなく今回はいいかなと思いながらも結局来てしまう、そういう水族館だ。











