先日、ユニクロのチラシを見ていたら村上春樹とユニクロのコラボによるTシャツが販売されるという。
村上春樹もいよいよこういう商業主義にのってしまったかと、かっての彼風にいえば「やれやれ」という思いがないではないのだが、彼がTシャツに対して一家言持っていることは彼のエッセイの中で何度か読んだ記憶もある。
いろいろと微妙な思いがあるにはあるのだが、多少とも琴線をくすぐるというか興味を覚える部分がある。なので今日、医者の帰りに床屋へ行き。さっぱりしたところでご近所のユニクロに行ってみることにした。
人気商品という触れ込みなので、物が揃っているかどうか、もう品薄になっているかといえば、そんなこともなくラインナップ全品、しかもサイズも含めて全部在庫されていた。
だいたいにおいて、村上春樹のコラボTシャツを誰が買うのか、少なくとも若者ではない。またユニクロのメジャーな購買層である一般ピープル的なオジサン、オバサンも多分買わない。買うのは熱心な愛読者、読書大好きな老若男女、世代的に同世代とも思わしき団塊ピープルかそのちょっと下くらいの世代ということになる。これらの層って、現代的にみると員数的にはそれほど多くない、ようはコアではあるがメジャーではないという感じがする。
自分はというと、多分かっての熱心な愛読者に位置する。世代的には団塊の一つ後の世代、そういうグループになるのだろうか。なのでぜひぜひ欲しいという訳でもなくちょっと興味本位でみたいな感じである。
それでもって実物をみてみると、やや厚手の生地で割としっかりしたTシャツ。最近はコストの問題か、あるいはそういうのが流行なのか、割と薄手のものが主流みたいな感じがするのだが、これは割とクラシックな厚手である。このへんはひょっとしたら村上春樹のリクエストかもしれない。
それでもって気がつくと『ダンス✕ダンス✕ダンス』と村上ラジオの白地のやつと緑の『ノルウェーの森』のやつなどを購入していました。『ノルウェー』はさすがに面が緑、裏が赤とかそういうデザインではなかったです。
しかしユニクロのTシャツをこんな風に嬉々として買ったのはいつ以来だろう。多分10年くらい前にブルーノートとコラボしたTシャツを出した時以来だろうか。あの時は10枚くらい買ったような記憶がある。なんならまだ未使用なものも持っているかもしれない。まああれは縁起物みたいなものだから。