青梅市立美術館

 玉堂美術館に行く途中で青梅市立美術館があることを知り、帰りに寄ってみることにした。ここには川合玉堂の『赤壁』が収蔵されているので、ひょっとして観ることができるのではと少しだけ期待していた。

青梅市立美術館 青梅市立小島善太郎美術館 - 東京都青梅市公式ホームページ

 残念ながら美術館では宮本十久一の回顧展を行っていて、さらにこの美術館は地域に所縁の画家小島善太郎の名を冠しているので、数点小島善太郎の作品が展示されているだけだった。

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(2021年2月13日~3月28日)館蔵企画展「生誕120年-宮本十久一展」 - 東京都青梅市公式ホームページ

 公立学校の美術教師をしながら画業を続けた日本画家ということらしい。画風はモダンな感じで洋画的要素を日本画に取り入れた人のようだ。自然の風景から60年代、70年代の地方都市の風景都市の風景を描いた作品、さらに戦前の田舎の生活やお遍路を描いたものなども。

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『冬の家族』

 この絵などは戦前の地方の生活を郷愁を込めた雰囲気で描いている。なにか絵本や挿絵のような感じだったか。

 小島善太郎については、佐伯祐三や里見勝三らと同年代で同じ頃に渡欧したという。佐伯らのようなフォーヴィズムよりはセザンヌに影響を受けた画家という。近代美術館で『ヴァイオリンをひく男』を観た記憶があるかも。

 個人的には宮本十久一の回顧展もいいが、同じ市内の玉堂美術館で『紅白梅』を、都内の山種美術館川合玉堂の回顧展が開催され、たぶん桜の季節には近代美術館で『行く春』も展示されるので、そういう時期には『赤壁』を展示してくれるありがたいと思ったりもする。たぶん、自分のようなおっちょこちょいが玉堂の関連作品を目指して訪れるなんてこともあるのではないかとも。

 もっとも市内にこうした立派な美術館があるのは市民にとっても嬉しいことではないかと思ったりもする。青梅市民は幸福かもしれない。そうした文化施設がまったくない埼玉の辺境に住む者にとっては羨ましい限りだ。

 美術館を出たあと、その裏側の多摩川の川辺にある釜の淵公園に寄ってみた。

釜の淵公園 | おうめ観光ガイド

 駐車場に車を止めて橋を渡って対岸の公園に行く。そこからもう一つの橋を渡る周遊コースみたいな感じのようだが、車椅子を押しているのでそのへんは難しい。最初の橋についてもちょっとした階段を上るようになっていて、カミさんは手すりを使ってなんとかのぼる、自分は車椅子をかついでみたいなことをしなくてはならない。

 夕暮れ時、小1時間自然に触れるみたいな感じで散歩した。

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