ガトー・バルビエリ礼賛~チャプターⅢ

チャプター・スリー

チャプター・スリー

 

  兄が遺したCDの1枚である。チャプター1、2、3というインパルスから出ていた三部作の一つだ。確かチャプター1は兄がレコードで持っていたと記憶している。自分にとってガトー・バルビエリはそのチャプター1とフライング・ダッチマン・レーベルから出ていた『アンダ・ファイアー』あたりがガトー・バルビエリを知ったきっかけだったと記憶している。

 この『チャプター3 ビバ・エミリアーノ・サパタ』は聴いたことはなかった。

チャプター・スリー (アルバム) - Wikipedia

 全体としてフリー・ジャズ的な指向からラテン系のリズムを多用し、そこに荒々しさと共にエモーショナルかつメロディアスな部分も出ている。80年代以降にスムース・ジャズなどの方向性(売れ線なんかな)をみえてくるガトーの萌芽みたいなものも感じさせるだろうか。

 参加ミュージシャンは、ガトー・バルビエリと同じく南米系が多いかとパーソナルをみてみると、意外とジャズ系の王道ミュージシャンが多数参加している。ランディ・ブレッカー、ロン・カーター、グラディ・テイトなどなど。1974年作ということで、ジャズ・フュージョン全盛の頃だし、このへんのミュージシャンにとってラテン・フレーバーなジャズセッションなどお手の物だったのだろうか。

 全編にわたって豪放なガトー・バルビエリのサックス吹きまくりという怒涛のアルバムではあるのだが、随所にメロディアスな調べもある。個人的には2曲目の「Lluvia Azul」が一番気にいっている。パーカッションとフルートをバックに吹きまくるガトーだ。曲名は英語読み的には「ルルビア・アズール」、Google翻訳とかで発音を確認するとスペイン語的には「ジュルビ・アソリ」みたいに聴こえる。意味は「青い雨」だとか。


Gato Barbieri Lluvia Azul