今年の美術館巡礼の多分最後になるだろうと思う。だいたいにおいて最後は近代美術館か西洋美術館のどちらかにしているのだけど、上野のほうは春まで長期休館中のため選択肢はこっちしかない。
東御苑を平川門から出て毎日新聞前を通って近代美術館に向かう。
まず開催中の企画展「眠り展」から。
ポスターや予告には子どもが眠っている情景を描いたルーベンスの絵が用いられている。これは西洋美術館所蔵でおなじみのものだ。
この企画展は国立美術館合同展で、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館、国立映画アーカイブの6館で所蔵する作品の中からゴヤ、ルーベンス、藤田嗣治ら33人のアーティストの約120の作品を集めたもの。企画内容は以下のようになっている。
「眠り」は、人々にとって生きていく上で欠かせないだけでなく、芸術家たちの創造を駆り立ててもきました。本展では、国立美術館所蔵の絵画、版画、素描、写真、立体、映像など、幅広いジャンルの作品約120点によって、「眠り」がいかに表現されてきたか、それが私たちに投げかけるものは何かを探ります。
「眠り」をテーマに生み出されたアートは、起きている時とは異なる視点で、私たちの日常の迷いや悩みに対するヒントを与えてくれるでしょう。
序章 目を閉じて
第1章 夢かうつつか
第2章 生のかなしみ
第3章 私はただ眠っているわけではない
第4章 目覚めを待つ
第5章 河原温 存在の証しとしての眠り
終章 もう一度、目を閉じて
眠りから夢、悪夢、幻想性などから様々な切り口で作品世界の想像性、創造性を表示させるということらしいが、今一つテーマがとっちらかされているような気もした。と、それ以前によく素人、にわか鑑賞者にはちょっと高尚過ぎるというか、正直よくわからないといった方がいいかもしれない。
序章の「目を閉じて」に古典名画を集めていて、ルーベンスや藤田もここに展示されている。その中で気になったのはアマン=ジャンの作品。
これは西洋美術館所蔵らしいが、これまで何度となく通っているのにこの作品を観るのは初めて。絵画を観るというのは一期一会みたいなところもあるのだなと思ったりもする。