アーティゾン美術館に行く

 前から気になっていたアーティゾン美術館に行ってきた。前身のブリヂストン美術館には2回ほど行っている。確かカイユボットの回顧展があった2013年に一回、次はビルの立て直しで休館に入る前の2015年だったか。

ブリヂストン美術館 - トムジィの日常雑記

 そして今年1月に新設になったのだが、事前予約制をとることになったので敷居がグーンと上がってしまった。以前にも書いたと思うが、都内の美術館は仕事が早くに終わったみたいな時にフラっと寄れるのがいいのであって、こういう目的志向型というのは少なくとも自分の行動パターンとはあわない。

 そうこうしているうちに、コロナもありなんとなく気になりつつも存在が遠ざかってしまった感じである。まあ今回は仕事を辞めたこともあり、気軽に行けるだろうということで月曜日にネット予約した。まあスマホから簡単にアクセスして予約できるしカードで料金を決済もできる。支払いが終わると完了メールがきて、そこに記載のURLにアクセスするとバーコードが表示される。それを提示すれば入館できるというシステムだ。

 場所は以前と変わらないのかな、建物が京橋ミュージアムタワーという高層ビルで、その6階建ての低層部分がミュージアムとなっている。

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 展示スペースは6階、5階、4階の3フロアで3階がメインの受付フロア、2階がギフトショップ、1階はカフェとなっている。1フロアの面積はさほど広くはないがそれでも3フロア確保されているので十分といえば十分。

建築・デザインについて | アーティゾン美術館

 今回の展示についていえば6階、5階が企画展示フロア、4階が常設展示となっていた。こっちのお目当ては常設コレクションなんだけど、せっかくだから企画展示が攻めることにする。

 まずは6階の鴻池朋子の企画展。

石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり | アーティゾン美術館

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 正直よくわからない。ただし間違いなくこれはアートしてるし、訴求してくるものも多い。鴻池朋子というアーティスト、多分総合芸術家なんだろうが、まったく知らないので予備知識なしである。後で少し調べると1960年生まれだから60歳になるのか。検索される画像がかなり若い感じなんだが、こうした作品からも老いみたいなものはまったく感じられない。
 狼の毛皮を素材として使うのが今日的にどうなのかとか、そういう流行りのモラルみたいなものを軽く突き抜けているような作品。ウィキペディアには「現代の神話(動物が言語を獲得するまでの物語)」を追求しているとある。この異化的空間が神話性を帯びているのかどうかも自分には評価もできないし理解しがたいのだが、何かしら訴求してくるものがあるのは感じる。

 神話的な混沌というよりもどことなく純化した玩具箱みたいな空間のようにも思えた。

 次のフロアの「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展Cosmo-Eggs 宇宙の卵」については、一応一通りみたけれど、これこそ判断保留。空間美術的なものには理解がすすまない。