カミさんの免許の更新に付き合う

 カミさんの誕生日は8月15日。そう世間的には敗戦記念日ともいう。

 旅行に行く前にそういえば免許更新の通知が来ていたのを思い出し、今日慌てていくことにした。まあ誕生日の前後一ヶ月は更新できるのだけど、こういうのは出来れば早めにしたほうがいいと。

 カミさんは病気になってからも更新だけは続けている。もちろん運転は出来ない。まあ当然といえば当然である。もっとも国リハとかできちんと運転の練習をしたうえで、片麻痺でも運転できるように車を改造すれば、ちょっとすると運転は可能かもしれない。国リハに入院しているときに、そういう患者さんを何人か見た気もする。まああくまで仮定の問題。

 最初に免許の更新の通知がしたときに、カミさんとはよく話をした。運転は多分難しいので、これを機に返納でいいのではないかと、そんなことを勧めてみた。カミさんはもちろん出来れば更新したいと言った。そのころ、多分10年くらい前だけど、当時は今よりも病状認識が甘かったと思う。正直、もう運転は無理なのだから更新は必要ないと思った。

 一応、運転免許センターに連絡してみると、障害者でも更新は可能だという。運転シミュレーターを使って、反応とかもチェックできますという返事だった。それで更新を行うことにした。シミュレーターでは何度か事故を起こしそうなくらい覚束ない状態だったが、ギリギリ合格ラインみたいなことにしてもらった。ついてくれた教官の方は、「まあ運転は改造車とかを用意すればなんとかなるかもしれませんが、基本難しいでしょう。まあ免許は身分証明書として利用してみて下さい」みたいなことをおっしゃった。

 それ以降はシミュレーターも使うことなく、普通に免許更新を行った。そしてまた五年の歳月が経ったということだ。

 朝8時半過ぎに鴻巣の運転免許センターに着いたのだが、思いのほか空いている印象だ。6月に自分の更新でここに来ているが、新型コロナの影響で密を避けるように並ばせられるので、入り口の外にも長い列ができた。それからするとさすがお盆休みの時期ということになるか。

 車椅子ということもあり、特に列を並ぶことなく優先してくれ、書類記入から証書購入もスムーズに。その後の視力検査や写真撮影も、他の人とは違う高齢者扱いでやってもらい、最後の講習も他の人たちと同じように受講した。なんだかんだで1時間ちょっとですべての工程終了。これは多分、自分らよりも少し早いくらいだと思った。講習の間、自分は廊下で最近あまり読んでいない本を読んで暇をつぶした。

 そのようにしてカミさんの免許更新が終了した。次は5年後、自分は69歳、カミさんは64歳になる。ワンチャンあるかどうか、それは神のみぞ知るというところか。

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