ドクター・スリープを観る

 TSUTAYAで借りたDVDで観た。TSUTAYAに行くのは久しぶりのこと。

 スティーブン・キングによる『シャイニング』の続編小説の映画化。あのジャック・ニコルソンの怪演とスタンリー・キューブリックによる衝撃的な映画の続編である。どう料理されているのかと興味はある作品だった。

 しかしこれはなんていうのだろう、良くも悪くも期待を裏切られた。この映画あの『シャイニング』の続編ということよりも完全に独立した映画だ。前作が原作ではその主題ともいうべき「シャインニング」=超常能力を 脇に追いやってしまったのに対して、本作はまさにその超常能力をメインにもってきた。

 そして狂気の父親によって追い詰められ殺害される危機に直面し、そのトラウマに悩まされる超能力者が、同じ能力を持つ少女を助け、トラウマの舞台となったあの閉ざされたホテルに戻り、トラウマを克服する話でもある。

 そして超能力をもつ少女と、その能力を狙う怨霊集団との闘争。

 少なくともスタンリー・キューブリックによるあのおどろおどろした雰囲気と、じょじょに狂気の世界に足を踏み入れていく男の姿を描いた前作とはまったく異なる世界の映画だ。しかし、超能力者と怨霊集団の戦いは、原作者にとっては正しい主題なのかもしれない。

 少なくとも同じスティーブン・キング原作の映画としては「IT」よりははるかにましな、映画としては完成された作品だと思う。主役のユアン・マクレガー、怨霊集団のリーダー、ローズ役のレベッカ・ファーガソンも好演している。