この美術館の収蔵作品の豊富さはいつも感心する。特に横山大観、菱田春草、木村武山といった五浦に集った画家の作品や地元の出身の中村彝の作品は圧巻だ。美術館の離れには中村彝のアトリエを再現した小さな家が併設されてもいる。
今回、所蔵作品展で面白かったのは、展示室2で行われていた「子どもの情景」という、子どもをモチーフにした作品展。特に石井柏亭の二つの作品が興味をひいた。
「麻雀」は子どもたち、しかも少女たちが興じているというのがなにかとても面白い。どことなくハイカラな雰囲気もある。
石井の作品を最初に観たのは、国立近代美術館で観た「草上の小憩」だったか。構図の妙と共に、印象派的習作というような気がした。作品の解説にマネを意識したと書かれていたように覚えている。