ベートーベンの交響曲って、白状すると知っているのは有名な3番、5番、6番、7番、9番だけである。1番、2番、4番、8番って意外と知られていない。周囲でもだいたい5、6、7、9である。で、自分自身はほとんど聴いたことがない。父親が持っていたカセットとかに4番とか8番があるので多分一度や二度は聴いたことがあるのだろうが、ほとんど印象がない。ある意味、5番、6番、9番が有名過ぎるのがいけないのではとか思ったりもする。
なので、これではいけないということで、手頃なベートーベンの交響曲セットがないかということで6月に手にしたのがこれである。
Cluytens Directs Beethoven : SYMPHONIES 1 - 9 (Box Set)
- アーティスト: ベートーヴェン,アンドレ・クリュイタンス,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: Disky
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: CD
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クリュイタンスって、確かラヴェルのもので1枚くらいCDを持っていたはずだが、ほとんど知らない。ベルギーの指揮者らしいのだが。で、このボックスセットについて調べるとけっこう名演という評判。1958年の録音ということで61年前のものベルリン・フィル・ハーモニーがカラヤンやフルトヴェングラーに先駆けて録音したベートーベンのシンフォニーのセットだという。
古いクラシックファンには馴染みのようで、子どもの頃に家のステレオで擦り切れるように繰り返し聴いたというような感想をネットで読むこともできる。
演奏についてはどうのこうのいえるほどのクラシックファンでもないのだが、年代の割には意外と軽やか。フルトヴェングラーほど重厚でもなく、カラヤンのように華麗流麗でもないのだが、なんとなく垢抜けた印象がある。
そしてほとんど聴いたことがない1番、2番、4番、8番である。なかなか家でずっと聴く時間もないので、Ipodに入れてプレイリストにして車の中でずっと聴いてみた。で、6月から7月にかけて聴いているのだが、なかなか主題を覚えきれないというか。まあ5~7番、9番のようにどこを聴いても一発でわかるなんていうのは、これはまあ自分のような俄かファンにとってはなかなか年季がいるのだ。どうにかこうにか2番と4番はなんとなくすぐにわかるようになってきた。まあそれだけしっくりくるみたいで、けっこう繰り返し聴いている。
特に心地良く聴けるのは2番である。1番はなんとなく習作っぽくて、モーツァルトがハイドン風に作りましたみたいな感じであんまり面白みがない(俄かの感想です)。それからすると2番には個性というか、ベートーベンらしさが出てきているような気がする(俄かの感想です)。
ウィキペディアによるとベートーベンの難聴が悪化した時期にあるとか、1楽章、3楽章、4楽章がニ長調で明るい雰囲気とか、1楽章になんとなく9番を彷彿とさせるとか、1楽章の第二主題の穏やかな表現とか、なんとなくさもありなんと思うところが多々ある。まあこの第一楽章は完全に自分のストライクゾーンみたいな感じだろうか。
なのでベートーベンの2番は自分のお気に入りの一つとなることは確実となった。しかしある種の暴論っぽくいえば、自分にとってクラシックはある部分モーツァルトとベートーベンとラヴェルで完結してるかもしれない。それなりに忙しい日々を送りつつ、あとどのくらい生きられるかという老人にとって、これからマーラーを極めるとかはまあ普通にいって無理っぽい感じである。
そうなるともう繰り返しモーツァルトとベートーベンだけ聴いていればいいのではないかと思ったりもする。それこそ交響曲はベートーベンだけでいいと思えてさえくる。この2番の心地良さは本当に発見みたいな感じである(俄かの発見)。