いや〜、格上セネガルに二度先行され二度追いついての引き分け。見事でした。しかも前半途中あたりからボールポゼッションも日本が上になり、後半はかなりの時間帯でセネガルの陣内で日本は試合を進めた。それこそセルジオ越後ではないが、勝てた試合だったかもしれない。
引き分けにもっていった最大の要因は二つある。一つは早い段階で追いついた乾の1点。流れの中での技ありシュートはスペインでプレーする彼ならではのワールドクラスのプレーだった。
そしてもう一つの要因、それはセネガルが極めて守備的なゲームプランを採用していたため。ゴール前にボックスを形成し、中に入ってきたボールはことごとく潰してはいたが、とにかく引いて守り速攻狙いのため、日本はバックラインからボランチあたりではかなりフリーにボールを回すことができた。そのため日本の唯一の攻め手であるパッサー柴崎がかなりフリーな状態でボールを持つことができた。さらにもう一人のボランチ長谷部もかなりフリーな状態でボールに絡むことができた。
そのため柴崎から効果的な縦パスが大迫にも供給されたし、サイドへの展開もあった。またバックラインから次の守備が緩慢なため、大迫にしろ乾、香川等がボールを引き出したあと、何度かターンによって前を向くことができた。ようは守備が組織だっていなかったし、運動量もなかった。
これでよくポーランドに勝つことができたねと思えるくらいに守備が良くなかった。このへんが修正されないとコロンビアに痛い目にあうかもしれない。
とはいえセネガルの攻撃、身体能力と圧倒的なスピードには迫力があった。特にサイドからの攻め上がりのスピードは圧巻だった。クロスの精度があればもっとやられていたかもしれない。
日本の攻撃に関しては、前半に関しては大迫、乾、香川がからんだ時には可能性を感じさせるものがあった。左サイドの長友はそれなりの攻め上がりがあり、1点目は彼のオーバラップからの展開で乾との連携も見事だった。それに対して右サイドの酒井はそこそこの攻め上がりもあるにはあったが、MF原口とともに守備に追われている印象だった。
後半の同点ゴール、正直今の本田を評価する気はさらさらないのだが、あのポジションに詰めていた点とたとえごっつあんゴールとはいえきっちり決めた点はさすがとは思った。まあ致命的なセネガルゴールキーパーのミスと、最後にキーパーを潰した岡崎のプレーがあってこその本田のゴールだとは思うが。
同じH組では日本に破れたコロンビアが強豪ポーランドに3-0で快勝した。ポーランドはこれで早々に敗退が決まった。モチベーションが下がったこのチームと最終戦で当たる日本は引き分け以上で決勝トーナメント進出が決定する。しかし強豪チームにも意地があるだろう、二敗だけでも屈辱的なのにさらに負けるわけにはいかない。おそらく死に物狂いで戦ってくるだろう。
それに対してコロンビアはどうか、ポーランドに勝っただけにかなり精神面では楽になった。そしてセネガルの守備の問題点もきちんと分析してくるだろう。セネガルが引き分け狙いで日本戦のような守備的なゲームプランをとった場合、コロンビアはがんがん攻めてくるのではないか。
日本がポーランドに引き分けか敗北、同様にコロンビアがセネガルに勝つか引き分けとなると、勝ち点では日本とセネガルの争いとなる。難しい展開だ。ポーランドに大敗というのが最悪の展開となるのだろう。
まあここまでくれば、決勝トーナメントに行って欲しい。善戦し、勝ち点を4をあげた上で予選リーグ敗退はシャレにならない。頑張ってもらいたい。
