黒部ダムへ行ってきた

 家族三人で黒部ダムへ行ってきた。

 7月にカミさんと二人で行ったときは、朝5時過ぎに出たものの扇沢の駐車場が満杯で断念させられた。

黒部ダム断念 - トムジィの日常雑記(ブログ版)

 そこで今回は1時間早く出てみた。知人の家族が深夜2時くらいに出たという話を聞いてはいたのだが、うちの場合は多分無理。今回も12時過ぎに寝て、なんとか3時に起きたけど、日帰りであまり準備なしでも結局は出るのに1時間くらいかかってしまう。

 道路は前回もそうだったがえらく空いていて、高速道路を更埴で降りてからの一般道もほとんどガラガラだった。県道55号線の途中で、道路脇に鹿が死んでいるのを発見。一瞬だったけど、かなり大きい女鹿だった。比較的交通量がある道路脇なので、猟師が射止めたというのはありえないだろう、まあ普通に考えれば夜中に車にはねられて絶命したのだろう。となるとご近所さんが回収して、バラして食すのかなとかいろいろ想像してしまった。時間的には6時台だったけれど気になるご遺体ではあった。

 カミさんは引き返して見てみようと言ってけど、そこまで悪趣味じゃないし、まあ先がある道中だったので基本スルー。

 大町を抜けて県道45号で扇沢までもほとんど渋滞もなく、前回と1時間違うだけで全然違うのだなと改めて認識。扇沢駅までは問題なくたどり着いたのだが、駅前の有料駐車場は満杯で、その手前の大町市営駐車場を案内される。そこの案内員に車椅子だと告げると、手帳があるかを確認され、そこから駅前の無料駐車スペースに案内された。ここは本当に駅前なのだが4台分しかなく、その1台分が空いていたのでとてもラッキーだった。

駐車場のご案内|立山黒部アルペンルート

 前回もそうだったが、黒部行の場合はオフィシャルサイトがだいたい参考になるので、まあ当たり前のことだけどここを見ておけば大体のことにあたりはつく。

www.kurobe-dam.com

f:id:tomzt:20180923073440j:plain

 そこで案内の人にまず当日券を買うように指示され列に並ぶのだが、ここがもう凄い人出。着いたのが7時半頃で8時前には並んだのだがだいたいチケットを購入するのに

時間くらいかかった。なんでこんなにかかるのかというと、どこまで購入するのか、どこまで行くのにどのくらいの時間がかかるのかなどを全部、窓口の担当に聞きながら購入するのである。これは時間がかかるなと思った。

 出来れば列に並んでいる際にどこまででいくらとか、待ち時間を含めてどのくらい時間がかかるかを案内する係を何名かつけておいてくれれば、もっとスムーズにいくのになどとちょっと思ってしまった。

 それでこちらも窓口でいろいろ聞いていくと、大観峰まで行って戻るのに乗り物の待ち時間を含めてこの日の場合、5~6時間からそれ以上かかると言われたので、取り敢えず大観峰までの往復を購入することにした。

 料金は黒部ダムまでのトロリーバス(往復2570円)、黒部平までのケーブルカー(往復1300円)、大観峰までのロープウェイ(往復1940円)、大人一人で合計5810円。家族三人だと通常17430円。まあうちの場合はカミさんが一種一級なので、本人と介護者1名が半額にはなる。ちょっと申し訳ない気持ちになるけど、それにしても金のかかる観光ではある。

 高齢社会もあるのだろう、黒部ダム観光は車椅子利用者にも随分と細やかでシステマチックなサービスが行き届いている。トロリーバス、ケーブルカー等も優先乗車させてくれる。とはいえ基本は短い距離にしろ階段での自力移動が基本になっているので、そのへんが難しい方にはハードルが高い。

 まずトロリーバスである。身障者用にエレベーターで乗降場の3Fまで移動、ここからは係の方がほぼつきっきりで対応してくれる。

f:id:tomzt:20180923132233j:plain

 トロリーバスは自然保護のため排気ガスを車の乗り入れが制限されていることによる導入らしい。日本でも今使われているのはこの黒部ダム観光だけのようだが、古い人間にとっては、なんとも懐かしいものがある。トロリーバスは昔は都市の移動交通手段として普通に導入されていた。自分が生まれた横浜でも普通に走っていたのを子ども心に覚えている。その話を家族にしてもあまり信じてもらえないのが少し悲しかった。

 トロリーバスはずっと地下トンネル(関電トンネル)を通っていく。途中で破砕帯という地下水の流れる場所があるなどとの説明も入る。このへんのことになると三船敏郎石原裕次郎の二大スターが共演した映画「黒部の太陽」をつい思い出してしまうのも、古い世代の悲しい性かもしれない。

 バス内で流れる案内放送によるとこのトロリーバスは来年の4月で電気自動車に取って代わられることが決まっているという。これにより商業移動手段としては日本唯一のトロリーバスがなくなることになるのだとか。

 16分と少しのトロリーバスの後、黒部ダムに到着。バスを最後に降りても、トンネル出口までは係員が付き添ってくれ、帰る際には案内所に言ってくれればまた係員が付き添うという。このへんは本当に至れり尽くせりでたいへんに有難かった。

 そして黒部ダムである。ダムを歩いて次のケーブルカー乗り場まで行くのだが、途中観光放水を観たり、ダム湖を観たりでこの昭和の遺産的巨大なダムを満喫させてもらう。

f:id:tomzt:20180923093554j:plain

f:id:tomzt:20180923123145j:plain

f:id:tomzt:20180923124318j:plain

f:id:tomzt:20180923123435j:plain

f:id:tomzt:20180923122037j:plain

 そして次はケーブルカー。ここが多分足が不自由な方には一番ハードルが高いかもしれない。ケーブルカーに乗り込むために自力で少し長い階段を上り下りしなくてはならないからである。以前、確か舞鶴でケーブルカーに乗ったことがあったが、あそこでは階段に仮設のスローブをかけて、駅員が数名で押して乗せてくれたのだが、ここではさすがにそこまではしてもらえない。とにかく利用者が多いため、あまり特別な措置を講ずることができないのだろうと思う。まあそれ自体はこういう場所なのでしかたないことだとは思っている。

f:id:tomzt:20180923095403j:plain

 ケーブルカーの到着駅、黒部平でも展望台があり、美しい景観が見ることができるが、まあここは中継駅みたいな感じだろうだ。ここから大観峰まではロープウェイ、さらに立山方面にトロリーバス、観光バスで抜けられるようになっている。まあそこまで行くとなると戻って来るのは至難だし、基本は電車で来て泊まってまた電車で帰るというのが正解なのだろうとは思う。まあ車利用者には扇沢から立山、あるいは立山から扇沢まで車を回送するサービスもあるらしいが、だいたい3万くらいかかるという。簡単に手を出せないサービスかなとも思う。

f:id:tomzt:20180923103803j:plain

 そしてロープウェイで大観峰まで。このロープウェイには支柱が一本もなく、黒部平から大観峰まで張ったロープでゴンドラを移動させる。あまりないのだとか。なのでゴンドラの動いていく様を見ているだけでちょっと壮観な感じがする。

f:id:tomzt:20180923105046j:plain

f:id:tomzt:20180923111253j:plain

 そして大観峰。ここでも基本は展望台からの景色を愛でて以上。ただし展望台に出るまでは長いらせん階段を登ることになるので、ここも障害者にはかなりハードルは高いとは思う。

 景色は後立山連峰、遥か眼下に望む黒部湖などが一望でき、これはなかなかの見ものだとは思う。

f:id:tomzt:20180923110410j:plain

f:id:tomzt:20180923111839j:plain

f:id:tomzt:20180923103723j:plain

 大観峰から再びロープウェイで黒部平、さらに黒部ダムに戻り、扇沢駅に戻ったのが3時少し前くらいだったか。特に昼食タイムとかをとらなかったのだが、それでも6時間近く経過していて、受付の女性の言う通りだったのはさすがだとは思った。

 その後は、かなり遅い時間になったがカミさんの実家まで足を延ばし、小1時間カミさんの母親と話しをしてから帰宅した。自宅に着いてみるとだいたい530キロくらいは知ったことになる。燃費は19.3キロくらいだっただろうか。