厚生年金の適用拡大?

 朝日の7面総合5に小さく載っていた記事、「厚生年金の適用拡大の議論開始」厚労省審議会。

厚生年金の適用、拡大の議論開始 厚労省審議会:朝日新聞デジタル

 メモ代わりと、後でリンクなくなるとなんのことか判らなくなるので、全文引用させてもらう。まあ小さな記事だし、こちとら会社でも今後議論するうえで必要になるので、ちょこっと大目にみてもらおう。

短時間労働者が厚生年金に加入しやすくするため、厚生労働省は14日、厚生年金の適用範囲を広げることについて本格的な議論を始めた。来年行う「財政検証」の結果を受けて年金制度の見直しを進める。

 この日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で、厚労省が論点として提示した。厚生年金には会社員や公務員が加入し、保険料は労使で折半して納める。国民年金よりもらえる年金額は多いが、非正規やパートタイムで働く人の多くは加入できず、このままだと老後の支えが不十分になると指摘されている。

 16年10月からは、501人以上の従業員がいる事業所で、週20時間以上働く▽賃金が月8万8千円以上、などの要件を満たす人が新たに適用対象になった。厚労省はこの日、今年4月末時点で約3万の事業所の約38万6千人が新たに加入したと報告。厚生年金に加入できる利点から労働時間を延ばした労働者もいるなどとし、さらに拡大する方向で議論する考えを示した。

 厚労省は今後、より小規模の事業所にも適用することや、賃金要件の引き下げなどを議論する。20年にも改正法案を提出する考えだ。

  週20時間以上、月8万8千円以上で厚生年金適用を小規模事業所にも適用するとなると、ほとんどのパート、アルバイトが加入となる。そうなると実質賃金は減少になる。その分を企業が応分に負担するとなると、多分人件費をアップさせるか、勤務時間を増やすかいずれかの策をとる必要があるのだろう。このへんが体力のない中小零細では多分難しいだろう。

 そもそもなぜパートやアルバイト、所謂非正規雇用を使うのか。ストレートな物言いをすれば安い人件費で、いつでもカット可能な労働力を集めるということに尽きるのだろう。それが労働者の側にたってみれば、搾取、疎外ということになるということは自明ではあるが、取引先からは再三コストカット要請をされ、そのもとでかつかつの商売をしてきている状態なのだ。なかなか時給アップをしずらい状況にあるのだと思う。

 さらに働く側にしても、年金加入は任意ではなく強制となる可能性がある。いろいろな試算数値が出ているが、実質103万枠が撤廃となった中では、130万枠という年金、健保への加入条件さえクリアしていれば良いということで、これはどのパートさんも口にするところだ。それが週20時間労働、月収8万8千円となると、ほぼすべてのパートが加入対象者となる。

 なんとも悩ましいところだ。