西洋美術館の新収蔵作品

ラファエル・コラン2作
「楽」と「詩」
 
 黒田清輝のお師匠さん、外光派のラファエル・コランの2作品。コランは「フロレアル」が大好きなので、この2作品も気に入った。通俗的とか凡庸とか言われちゃう人ではあるが、美しい絵を描く人でもある。東博での黒田清輝展で観たのだが、もう一度「フロレアル」を観たいものだ。
「黒いドレスの女」ベルト・モリゾ

 ベルト・モリゾの作品も新収蔵品としてあった。このドレスの黒は明らかにマネ風。ただし印象派的な雰囲気がある。言葉としては成立していないが透明感のある黒といったら言い過ぎか。
 このドレスはモリゾの所有のものだと解説にあった。ブルジョアの娘であるモリゾらしいか。印象派の中の印象派ともいうべきモリゾなのでこの絵も一目みて気に入った。

「音楽」ブグロー

 アカデミズム、サロン派の最後の巨匠みたいな人だろうか。アングルの弟子筋ですべすべ感はこの人の方が上かもしれない。とにかく画力のある絵の上手な人だ。絵画史上最も絵の上手い画家なんて賛美をどこかで見たことがあるくらい。
 この絵についていうと、ブグローのよくある美少女画のそれとは一線を画すような感じがする。どことなく象徴主義っぽい雰囲気というか。まあ音楽というタイトルが意味深でもあるのだけれど。