Walk the Dog & Light the Light

抱擁(紙ジャケット仕様)

抱擁(紙ジャケット仕様)

 ローラ・ニーロの1993年、最後のスタジオ録音盤である。ずっと欲しかったアルバムなんだが、なんとなく手に入れないままになっていた。
 ローラは1997年、49歳の若さで亡くなった。卵巣ガンだったという。もう亡くなって20年の月日が経つのである。うちの子どもが今年20歳になる。そういう歳月なのだ。20年前、ちょうど始めてのマンションを購入し、子どもが出来てと、生活にもろにハマっていた頃だ。当然、彼女が死んだこともしらないままだった。
 後で知ったことだが、ローラは1971年「ゴナ・テイク・ア・ミラクル」を出してすぐにわずか24歳で引退を決意する。このアルバムはローラ自身のルーツともいうべきR&B色の強い名盤だった。それから5年後の1976年にフュージョン的要素の強い「スマイル」で復帰する。そして1978年以降は5年に一度くらいの割合でアルバムを発表。同時にライブ活動も定期的に行ってきた。
 この「Walk the Dog & Light the Light」もまたフュージョンやジャズ要素、またアコースティック・ギターなどもフューチャーしつつも、静かな雰囲気のアルバムとなっている。あまり力が入っていないリラックスした感じがする。こういう感じでアルバムを出し続けていくのかなと思わせる曲作りを想起させる。おそらくこのアルバム制作のあとくらいから病魔が彼女に襲ったのかもしれない。残念なことだ。
 その後、多分死後に録音されたライブ音源が幾つもアルバム化したようで、その何枚かは自分も持っている。いずれも若い時のような力強さとは異なる、リラックスした雰囲気、それでいて彼女の硬質なピアノにマッチしたブルージーな歌声は健在というような感じだった。
 あまり暇な時間はないのだが、休みの日に少し音楽を聴ける時などは、ipodでローラのプレイリストでひたすら彼女の曲を流すことがある。その度にもっともっと彼女の歌が聴きたかったと思う。このアルバムでは3曲目の「The Descent Of Luna Rosé」が割と気に入っている。アップテンポで軽快なカッティング・ギターのリフがフューチャリングされている。ちょっとそれまでのローラにはないような感じで気に入っている。こういうのを聴くとローラ・ニーロ山下達郎トッド・ラングレン、みんなR&Bで繋がっているんだなと思ったりもする