高浜原発と大飯原発

 せっかく日本海側に来ているので原発の一つも見てみたいものだと、ナビで探すと意外と近くにあるらしいので行ってみることにした。ただのお上りさんかもしれないが、百聞一見に如かずでもある。こういう機会でもなければ絶対に見ることもないだろうと。
 ナビで検索してみると一番近いのは高浜原発らしいので、山を一つ越して車走らせ行ってみた。
 高浜原発は半島沿いにあり、さすがに入り口付近に車を止める訳にも行かず、原発前から少し車を走らせると海を一望できる所に駐車スペースがあり、入り組んだ海の景色が美しく、遠くに原発も見ることができた。

 しかし、この美しい景観の中に原発はないよというのが正直な感想である。とはいえ逆に原発からあるから他に乱開発されることもなく、この景色が保存されているの
かもしれないという、なにやらの逆説めいた思いも持った。
 しかしこの原発に行くまでの道は一本道なのである。もし、原発に何か事故があれば、住民の避難も難しいだろうし、それとは別に救援等も陸からはかなり困難ではないかとも思った。さらにいえば、この一本道には幾つものトンネルがある。それだけ険しい山から急に海へという地形なのだが、もしテロなりを考えるなら、このトンネルを通れなくしてしまえば、原発はまったく陸の孤島になってしまうのではとも考えた。多分、ひょっとして地図にはない道路なり、地下に縦貫するような道路があるのかもしれないが。
 高浜に一番近い原発ということで大飯にも行こうかとも思ったが、さすがに時間がかかりそうだったのでやめたが、多分海の向こうの半島の山を超えたあたりにあるのだろうと検討をつけた。

 そして当然のごとくこの高浜から大飯にかけてのあたりの海沿いの道は、道路も広く整備されている。家も割と大きな住宅も多いし、公民館や公的な施設も立派なものが多かったという印象だ。まあ普通に考えて、原発マネーが相当に投下されているんだろうとも。ちょっとだけ立ち寄った子どもが遊ぶ施設、いわゆる子ども館には4階建ての建物の内部に海賊船が丸ごと一隻入っていて、子どもたちが自由に遊び回っていた。これもまた原発の恩恵なのかもしれない。