大エルミタージュ美術館展

 学祭の演奏終了後はそそくさと引き上げることにする。けっこう疲れていたのでそのまま帰るかとも思ったのだが、せっかく都内まで出てきているので、六本木まで足を運ぶことにした。今、六本木といえば、新国立のミュシャ展なんだろうが、あれは大変混んでいると聞いているのでパス。六本木ヒルズの森アーツセンター・ギャラリーでやっている大エルミタージュ展に行くことにする。6月の中旬までの開催のため、こういうチャンスを利用しないと、完全に見逃す可能性が高いと思った次第だ。

 エルミタージュ美術館は、ロシア、ロマノフ王朝女帝エカテリーナ二世のコレクションがベースとなっている。その中から、イタリアルネサンスからロココあたりまで、フランス以外でもオランダ風景画や風俗画、その他イタリア、スペイン、イギリス、ドイツなどの所謂巨匠と呼ばれる画家たちの名画(オールドマスター)集めた企画展である。つまりは画力溢れた、上手な画家たちによる美しい、美しい絵が総動員されているという訳だ。
 実際、観ていると引き込まれるような素晴らしい作品ばかりだ。日曜の夕方だったが、けっこう空いていて、ストレスをほとんど感じさせない。お気に入りの絵の前で、長い時間を過ごしてもまったく問題がない。15世紀後半から19世紀前半くらいまでということだが、正直あまりその辺のところは素養に乏しい。いや、だからといって印象派以降にはそれなりに知識があるということではけっしてない。まあ普通に、良い絵には特に知識もなく、いいなと思える程度の趣味的鑑賞者でしかないから。
 とはいえ正味で2時間くらいだっただろうか、ある種至福のひと時を過ごすことができた。今回は、改めてスペイン絵画、ゴヤやベラスケスではないところで、ムリーリョとかに激しく反応。お気に入りとなった。