国立近代美術館へ

 都内での会議が早めに終わったので、なんとなく国会前によってみた。かっては反原発運動の盛り上がりとともに、多くの人が集った場所だが、今、森友学園への国有地払い下げという大きな事件が起きているのだが、人波もまばら。首相官邸前には少人数ながら抗議の人たちが頑張っている。もう一度国会前に足を向け、小声で「アベタオセヨ」とつぶやいて退散する。
 それからお堀端をだいぶ歩いてからタクシーをつかまえて国立近代美術館MOMATへ足を運ぶ。ここも今年二回目になる。もうすっかり自分のホームポジションみたいな位置づけしてる美術館だ。収蔵作品も多いので、いつも新しい発見がある。まず最初に、一度観たいと思っていた原田直次郎「騎龍観音」を眼にすることができた。欧州から帰ってきた当時とはいささか画風が異なるがなかなか興味を引く美しい絵である。

 中沢弘光「花下月影」。妖しい雰囲気だが後引く絵でもある。最初に観たのは山梨県立美術館だったが、その妖しさに魅了された。横たわる女性(?)の視線になんとも言えない異様さがある。


 伊東深水「雪の宵」。妖艶というか艶やかさというか、どうしたらこんな風に描けるのだろうとも思う。

 今回は、なんとなく日本画、特に美人画をいつもよりしっかり観たという印象。まだ素養もなにもないのだが、いいものはいいという勝手な思い込みみたいなものだけ。