スケーエン、デンマークの芸術村展

 都内で打ち合わせあり。5時過ぎに終わり、特に用事もなかったので上野の国立西洋美術館へ行く。ここはある意味自分のホームグランドみたいに勝手に思っている場所で、とにかく落ち着くところだ。いつものようにルネサンスからバロックあたりの展示から新館の方に足を向け、大好きな印象派絵画に浸ろうと思っていたのだが、今回新館コーナーではなぜか「スケーエン、デンマークの芸術村展」なる企画展をやっていた。
 通常であれば、これは本館地下の特別展コーナーのはずなのだが、確か2月からシャセリオー展をやることになっている。このデンマークの芸術村展は比較的地味な企画展なので、こうした常設展示コーナーの一部で行うことになったのだろう。

 このスケーエン派の画家の中ではアンカーとクロヤーが二大スターというか巨匠的存在で、この二人の絵を観れたことは新しい発見でもあった。二人とも19世紀後半に活躍していて、印象派の画家たちとほぼ同時代人。バルビゾン派自然主義的描写から外光派的な光をキャンバスに写し取る画法に徐々に変わっていく様はまさしく印象派そのものだ。19世紀後半にあって絵画の新潮流はフランスパリからデンマークの突端の地まで簡単に伝播していき、同時代的に進行しているということが理解できた。
ミカエル・アンカー「海辺の散歩」

クロヤー「ばら」