正月観光

 大晦日から1日にかけて妻の実家の長野で過ごす。ほぼ酒漬けの日々。実家は年老いた義理の母と独身の年下の兄の二人暮らし。田舎でも老々介護が現実化しようとしている。二日間ではあるが、食器洗いなどを自分で行う。家にいても実家にきてもやることは同じ。食べたものの後始末、妻の入浴介護。全部ついて回ることになる。
 大晦日の夜はなにか義理の兄弟の話を時間差で一人ずつ聞くような展開となる。まあ1年に1度のことだし、ある意味一番の年長である。気がつけば還暦を過ぎた自分がいる訳だ。世間は60を超えた自分をどう見ているのだろうと思ったりもする。とはいえ今更自意識過剰になってもしょうがないし、世間が考えている還暦超えの爺さんになろうとしてもなれるもんでもない。
 2日は12月に入ってたまたま空いていた浜名湖のホテルまで足を延ばす。元々は出版健保関連で元旦、2日に宿をとるつもりでいて、3日に恵那峡に宿をとったのだが、残念ながら健保は抽選にもれた。そこで急遽空いている宿を探して見つけたのがここ。
【公式】浜名湖リゾート&スパ THE OCEAN 宿泊 温泉 ホテル
 リゾートホテルで正月三が日なのに1泊2食付きで13000円くらいと格安。なのでほとんど期待もしていなかったのだが、温泉もあるし、食事は朝晩ともバイキングだったが、とにかく腹一杯になったし、格安なのでとくに文句なし。景色もなかなかだったし。
 
 翌日は恵那峡にある簡保の宿に泊まった。ここも三が日で15500円と格安だが、施設はキレイだし、料理もなかなか美味しかった。
 とにかく自分としては、正月くらい家事から解放されたいというただただそれだけのことなので、ある部分多少のことは目をつぶる。だから比較的チープで泊まれて、そこそこ美味い食事を上げ膳据え膳で食べることができればそれでいい。おまけに温泉に入れればなんの文句があるかというところだ。
 
 部屋からの恵那峡の景色。

 恵那峡では遊覧船に乗って周遊。木曽川水力発電用のダムで堰き止めただけの典型的なダム湖だが、周囲の岸壁にある奇石がなかなか面白く楽しめた。


 翌日は、すぐに帰ろうかとも思ったが、せっかくなので馬籠、妻籠、寝覚ノ床を観光した。いずれも妻には初めての場所だったので、けっこう楽しんでくれていた。ただ馬籠は町並み自体がけっこうな坂道になっているので半分くらいで断念。おまけに藤村記念館は正月休みだった。
 妻籠のほうは町並みもほとんどが平地にある。正月で観光客も少ないため、いつもに比べると閑散としているが、その分のんびりと観光することができた。
 馬籠から妻籠へというのは、自分の中では割と何回も行っているところだ。最初は学生時代のクラブの合宿で乗鞍のロッジに泊まったときに観光で寄った。当時中の良かった三人組で馬籠から妻籠までダラダラと歩いたのをよく記憶している。なんかかんだといいながら、若く、楽しい日々だったのかもしれない。
 その後も20代、30代に一人旅で1〜2回訪れている。島崎藤村を愛読していたので、この地は割と親和性があるのだろうと思っている。

 最後に寝覚ノ床に行ってみた。
寝覚の床
 ここは自分も初めての場所。とはいえトンネルを抜けた中央線が崖沿いを走っているため、何度か車窓から見た記憶はある。確かここを通るときはスピードを落としてくれるようだ。

 なかなかの奇観であり、お出かけ好きの妻はけっこう気に入ってくれたようだが、近くに行くまでひたすら行きは下り、帰りは上りとけっこうな距離を歩く。それを車椅子を押してというのはそこそこにしんどいことではあるが、まあこの程度はある意味慣れっこになりつつある。