始まったばかりのデトロイト美術館展に行ってみた。なぜか上野の森美術館は初めて。考えてみれば上野というと国立西洋美術館か東京都美術館ばっかりだった。
今回もお出かけ大好きなカミさんを連れてなので車椅子を押しての絵画鑑賞。三連休の最終日だがいつもより比較的早めに出たので、逆に駐車場が満杯でいつも止めるところに止められず。ぐるぐる周辺を周回した後で、なんとか京成上野駅の手前の地下駐車場に止めることができた。
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デトロイト美術館は1985年の創立で、アメリカで始めてゴッホやマチスの作品を購入した美術館で、アメリカでも屈指の美術館だとか。収集作品も65000点を超えるという。自動車業界が盛んな頃は資金援助も多数あり、財政的にも豊かだったということらしい。いわばアメリカの繁栄とともにコレクションを増やすしてきたのだろう。
その後自動車産業の衰退とともにデトロイトの財政は悪化の一途をたどり、近年ではデトロイト市は財政破綻をし、この美術館のコレクションも売却の危機にあったという。しかし国内外の援助とデトロイト市民の声により、コレクションは1点も売却されることなく今日に至っているという。
このへんはアメリカの大都市圏の文化水準の高さといえるのかもしれない。例えばこれがカンサスシティとかアマリロ、デンバーあたりだったらどうだろうか。さらにいえば日本だったら、多分間違いなくコレクションは散逸してたんじゃないかと思ったりもする。
今回の企画展では、デトロイト美術館が作品撮影がOKのため、平日は基本撮影で許可されている。さらにいえば三連休の最終日の今日も撮影許可日だった。国内でも西洋美術館は基本撮影が許可されているが、これは例外中の例外でたいていの場合、撮影は厳しく制限されている。それどころかスマホやタブレットでメモをとることすら禁止されていたりもする。以前、埼玉県立近代美術館でスマホでもメモをとっていたら、監視員の女性からスマホの禁止はおやめ下さいと注意された。メモ取りたいのだがと反論すると、メモ用紙と鉛筆をお貸ししますとか。そこまでして撮影を制限したいのかと思ったものだが。
とはいえ、かなりの人手の今回の企画展の中で撮影のために絵の前をなかなか離れない多くの人たちがいるのは(自分もその一人かもしれないけど)、これはこれで普通に鑑賞したい人からするとやっかいかもしれないなと思った。
入るといきなりのルノワールの三作。これがどれも素晴らしい。
<白い服の道化師> <座る浴女>
「白い服の道化師」は背景の青が素晴らしい。モデルはルノワールの次男ジャン・ルノワールだとか。この可愛らしいバラ色ほっぺの男の子が後に名作「大いなる幻影」を撮る巨匠映画監督なんだから面白いね。
<肘掛け椅子の女性>
この作品は1874年制作のもので「白い服の道化師」は1901-1902年、「座る浴女」は1903-1906年とは明らかにスタイル、色使いが異なる。時代的には印象派時代のものといえる。色使い、筆触、肩と胸を露わにした青みを帯びた服などは明らかに印象派的な表現だとは思う。どちらが好きかといえば、より様式化されバラ色の色使いが増えた20世紀の作品よりもこの印象派的なのが好みかもしれない。
<クールベ「川辺でまどろむ浴女」
写実主義の巨匠クールベというと大作「画家のアトリエ」や自然の中での鹿の絵みたいな印象が強いのだが、こういう絵を観ているとルノワールとかへの影響とかもあるんだろうなと勝手に思ったりもする。
<ドガ「女性の肖像」> <ピサロ「小道」>
<「モネ「グラジオラス」>
<セザンヌ「三つの髑髏」>
<ボナール「犬と女性」> <ゴーギャン「自画像」>
ナビ派ボナールは平面的で装飾的なスタイルから徐々に色彩華やかな光と一瞬を捉えたような印象派のスタイルに先祖返りしているような印象がある。モデルは妻となり入浴シーンでおなじみのマルト。
その他、気になった画像をランダムに。
<ゴッホ「自画像」>
<ピカソ「アルルカンの頭部」> <ピカソ「肘掛け椅子の女性」>
<ピカソ「読書する女性」> <ピカソ「座る女性」>