「黄金のアデーレ」を観た


 昨日、「黄金のアデーレ名画の帰還」をDVDで観た。面白かった。なによりクリムトのあの絵にこんなエピソードがあり、ナチスホロコーストの記憶が繋がっていたとは。映画としても面白い法廷劇として楽しめた。
 クリムトの「黄金のアデーレ」自体は大塚国際美術館の複製画で何度も観ている。同じオーストリア人のエゴン・シーレクリムトの代表作が並んで展示されているそのスペースは比較的気に入っている。ただし20世紀の退廃美術、あるいはシーレの影響が強いからか、死を想起させるものというイメージで受容していたようにも思う。
 そのクリムトの絵にまつわる因縁めいた話、しかもナチスドイツの所業によるオーストリア併合とユダヤ人へのホロコーストにも繋がった物語があるとは。
 映画は予備知識なしでも十分に楽しめるのだが、そうした知識をもって観たならばもっと興味深く観ることができたかもしれないとも感じた。
アデーレ・ブロッホ=バウアー - Wikipedia