墓参り


 カミさんがどこかへ連れて行けというので墓参りに行ってきた。
 そういえばお彼岸にも行ってなかったし、いちおう子どもが大学上がった報告もしてなかったしとか、まあいろいろなエクスキューズはあるけど。
 年に1回くらいがきちんと来ないといけないなと思いつつも忙しさにかまけてなかなか足が向かない。
 この墓を建てたのはもう30年近くも前のことだ。1986年に父がくも膜下出血で急逝した。10月のことだ。すぐにこの墓地を買って翌年納骨したんだった。本当に30年も前のことだ。
 それから10年後の1996年祖母を見取りここに納め、その年のうちに埼玉に引っ越した。
 相模原の山奥の霊園だけに埼玉からはとても遠く、最初の頃は道路の込み具合によっては3時間くらいかかったものだが、その後圏央道が延伸したこともあり、今では1時間もかからずにこれる。本当に近くなった。なのに以前と同じか、それよりも墓参りに来る頻度が少なくなっている。物理的距離は近くなっても、気持ちの距離がというやつか。
 まあ日々凌いでいるのだ、多少は多めにみてもらおう。
 しかし、こうやって墓参りをすると、ここのところはいつも思う。次、この中に入るのは誰なんだろう。まあ順当に行けば七つ離れた兄であり、次は自分なんだろうが。しかし墓参りに来るとなんとなく年をとったことを実感する。