再び東京富士美術館へ

一週間ぶりで再び訪れる。相当に気に入ったわけだ。前回も書いたが家から車で30分、気軽に行ける。ルネサンスから現代絵画までの作品が揃っている。特に近代絵画の部屋=印象派の品揃えが自分のストライクゾーンにあっている。
<コロー「ものおもい」>

華奢な少女の物憂げに俯くポーズはおそらく農家の娘の生活と貧困に疲れた姿かとも。なんとも心ひかれる絵でおそらくこの美術館の中でも一二を争うくらいに気に入っている。
<ヴーダン「ヴェネツィア、大運河」>

モネにも影響を与えたというヴーダンの彼にしてはやや大きい絵画がモネの「睡蓮」の隣に展示してある。白、ブルー、グレイの配色の妙、一種パノラマのような風景画はこの人の真骨頂でもある。
ピサロ「春、朝、曇り、エラニー」>

ピサロ晩年の作。長く住み着いたエラニーのある朝の情景を写し取った佳作。もはや技巧的気負いもなく円熟した境地で自分の愛した自然を描いた一品というところか。ピサロは技巧的習作よりも凡庸な風景画の中に魅力があると感じる。