「きっと、星のせいじゃない」

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映画『きっと、星のせいじゃない。』オフィシャルサイト| 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
公開2日目、近所のワカバシネプレックスで見てくる。先週読了した『さよならを待つふたりのために』の映画化である。本も本国ではベストセラーとなっているが、映画のほうも全米で大ヒットしたという。
原作小説の出来がとても良かったので、正直映画はどうだろうという思いもあった。いい年してこんなヤングアダルト小説に入れ込むのもと思われるかもしれんが、この小説は本当にいい出来だ。最近これだけ面白く読めた小説はあまり思い浮かばないっていうくらいに。
で、簡潔に映画のことを。
なかなか原作の雰囲気だしていて良かった。カラっとしてクールな雰囲気とかもよくでていた。ただし、主人公の二人がなんていうか、健康体っぽくって少なくとも末期ガンに冒された十代の若者という風ではなかった。だからもっと病弱な雰囲気の子使ってとか、メーキャップとかを駆使してとか、その手の俗なリアリティを求めているんじゃないのだけどね。
あと周囲の人々や、物語にとって重要なアル中作家ヴァン・ホーテンもちょっと類型化、戯画化されすぎているような気もした。
若者の話なのでコミュニケーションの手段は当然メールとなる。主人公二人のやり取りもメール中心なのだが、映像処理はそのまま画面に吹き出しを現すとかしていた。映像的にはけっして斬新という訳でもないんだろうが、なんとなくうまくはまっている印象だった。
メールという書き文字を映像表現にするというのは、けっこう簡単そうでいて難しい。もうあまり中身を覚えていないが、トム・ハンクスメグ・ライアンが主演した「ユーガッタ・メール」とかもなんか映像処理されていたようにも思うのだが。
まあスクリーン・プロセスのままでいけば、画面を分割してメールやり取りする二人を左右に配置するとか、あるいは二人姿をカットバックしてメールを吹き出し処理するということになるのか。この表現はけっこう一般化するかもしれないな。
お話的には小説をほとんど踏襲しているので、新たに感動うんぬんとかない。そのせいか号泣するようなことはなかった。まあちょっとは目をウルウルとさせたけど。
夜7時半くらいからの回だったが、お客は少なかったな。うちもカミさんと二人だったが、他には高校生くらいのカップルが3〜4組、中年のカップルが1組、一人で観にきていたのが、男女2〜3人ぐらいだったか。まあいい映画だから口コミでもヒットすると良いのだが。