「ミッドナイト・イン・パリ」

ミッドナイト・イン・パリ [DVD]

ミッドナイト・イン・パリ [DVD]

  • 発売日: 2012/11/16
  • メディア: DVD
久々、本当に久しぶりにウッディ・アレンの映画を観た。軽妙洒脱を絵に描いたような映画である。最近のウッデイ・アレンはこんな映画を撮っているのかと感心する。
お話は作家志望のシナリオ・ライターが、憧れのパリ旅行中にひょうんなことから1920年代にタイムスリップする。そこで当時パリに集った芸術家たちと交流する。ヘミングウェイスコット・フィッツジェラルドガートルード・スタインピカソ、ダリ、ブニュエルなどなど。この設定は楽しいし、主人公同様にワクワクするような気持ちになる。
パリ、しかも20年代のパリへの懐古趣味や、当時のパリのアメリカ人を気取りたい主人公のスノビズムがえらく素直に伝わってくる。タイムスリップには特に理由もなく、何気に深夜0時の鐘とともに過去に一瞬で移行する。そんなご都合主義的な部分がいかにも映画的で心地良い。
ただ難点を一つだけいえば作家志望の主人公役オーウェン・ウィルソン。この人がさあ、なんというか全然文学青年らしくないのよね。やや鼻の曲がった容貌は、元ボクサーかアメリカン・フットボーラーあたりかと想像したくなる。案の定フットボールによる怪我が原因とか。なんかバリバリ体育会系的なのである。そんな彼が20年代パリをこよなく愛す作家志望役をやってもどうにもしっくりこない、とそんな気がしてならない。一言でかたずけちゃえばミス・キャスト・・・・・。良い映画なだけにそこが少しだけ残念。