リヒテンシュタイン展に行く

昼前に会社を出て都内の健保の医院に行く。ここ1年くらい血圧がけっこう高くて、上が150オーバー、下が90みたいなことで、健康診断でもひっかかり、問診をした医者からは、薬で下げるレベルですねと言われている。なのにそのまま放置していたのだが、そろそろやばいかなということもあり、健保だと負担も少ないので久々に行ってみた。ほんでとりあえず1日1錠の薬を約一ヶ月分処方してもらう。
その後はめったにいかないメインバンクに顔を出して六ヶ月定期の更新手続き。人事異動でうちの担当クンとそのうえの部長さんも変わっていたので、顔合わせということもある。担当クンは限りなく若く、まあ大卒2〜5年くらいかなと想像。部長さん(厳密には副)は、これもなんか若そうだったが存在感抜群な感じ。年齢的には40チョイ過ぎくらい。それで部長職だからまずはエリートさんなんだろうと、勝手に想像。うちの場合、銀行さんからは軽くあしらわれるような会社だし、それこそ定期の更新の時くらいしか顔を会わせないから、それでもいいかという感じである。
4時前にほぼ当日の業務は終了。あまりにも時間が空いてしまったので、友人に電話をして六本木で会う事にする。で、行ったのがこれ。
朝日新聞社 - 「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」
国立新美術館は初めて行く。なかなか良い立地、良い器である。そして今回のリヒテンシュタイン展、ルーベンスバロック派の作品はなかなかに荘厳である。まあルーベンスは別格として、他には18〜19世紀にかけて新古典主義の技法を展開したビーダーマイヤーと呼ばれた流派の絵画が印象に残った。
《マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女 2歳の肖像》

エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン
虹の女神イリスとしてのカロリーネ・リヒテンシュタイン侯爵夫人》

絵画鑑賞の後はアビーロードに行ってみるが金曜日ということで立ち見だけという盛況ぶり。さすがに50代の私等立ち見で盛り上がるのはちょっと難しいということで断念。適当に小料理屋見つけて軽く盛り上がる。
友人との会話、リヒテンシュタイン侯というのはどれだけお金持ちだったのか。オーストリアの貴族さんなんだろうが、相当な領地を持っていただろうと。さらにいえばあれだけの美術収拾が出来たのである。その財力たるやはかりしれんものがある。となると相当に搾取、収奪重ねたんだろうなと、かって社会主義共産主義にかぶれたこともあるオッサンたちは語り合う。ついでに中世の農奴とか、ヨーロッパの上部構造と下部構造についてと断片的な話をいくつか。ただしお互い日本史の人なので圧倒的に世界史知識に欠けているから、話はとぶ、展開に乏しい。
とどめがエンゲルスの著作「空想から科学へ」で唯一覚えているフレーズに言及。「中世の領主は農奴の娘の初夜権を握っていた」に中学生の頃えらく感動したという話で大いに盛り上がる。単なるアホである。しかし今風にいえば、暗黒の中世にあっては階級支配構造は暴力的にジェンダーをも抑圧していたみたいな、みたいな感じになるのか。まあいいや。そのようにして六本木の日々が過ぎていったと。