個別相談会

塾主催の進学説明会で大宮のソニックシティに行く。ここに行くのもたぶん三度目のこと。中1、中2の時は見学と雰囲気を体験するみたいなことで行ったのだが、いよいよ今年は本番である。
午前中は県内の受験情報等についての講演があり、午後は主要な公立、私立校を集めての個別相談会がある。広い会場に各学校が机を置き担当の教師が学校の説明をする。私立の学校の場合、そこで模擬試験の最近2回の結果と通知簿を見せ、基準に達していると、受験すればほぼ合格になるという所謂<確約>をもらう。
この<確約>はその学校だけを志望している単願の場合と他の高校、主に公立高校を第一希望とする場合の併願では基準が異なる。だいたい単願のほうが偏差値にして2〜3低くしてある。まあ子どもの数も減っているだろうから私立高校もある意味必死なのである。
学校によってはすぐに通知簿と模試の結果で合格可能と判定もするところもあり、また長々と学校の説明をした後におもむろに合格の可能性についてと、もったいぶった形で話を進めるところもある。だいたい一校で一人当たり10〜15分程度話す。人気校の場合、後ろにかなりの列をなしている。この場合の人気校とは所謂進学校、難関校ではなく、だいたい偏差値にして60前後の、比較的敷居の低い学校のことである。例えば早稲田とかになると、あまり相談している親子も少ない。まあ娘の行っている塾は平均的な子が多く通うところなので、こういうことになるのだろう。
うちの娘の場合も第一志望は県立高校なので、とりあえずスベリ止めというか保険をかけておくということで幾つかの私立高校に相談した。前日、塾の担当教師とどのへんの学校を狙うかと事前に相談してあったので、第一志望、第二志望、第三志望として6校ほどリストアップした。
1時からの個別相談で全部で5校に個別相談してうち4校でだいたいの<確約>をもらう。気がつけば4時を少し回るくらいの時間になっている。なんかえらく疲れた感じである。
最後の公立高校のブースに顔を出し、第二志望的な感じの高校で説明を受ける。その教師がえらく熱血な方で、受験の心がまえやら、人生訓めいたことやら、高校に入ってからの過ごし方やら熱弁的に話していただいた。おかげでもう1校くらい話を聞きたかったのだが、時間が押して駄目になった。とはいえ親からしてもけっこうためになるなと思えるくらいのお話だったとは思う。後で子どもに聞くと、けっこういい話だったという前向きの感想だった。最後に名前を伺ったところ、名前を名乗り教頭先生をしているとのことだった。こういう熱心な教師がいる学校に行ければ、幸福かもしれないなとも思った。
個別相談をしていても説明する教師の熱心さとかがはっきりわかる。機械的、事務的に合否の判定をすすめる方もいれば、学校の良さ、特色をきちんと説明してくれる方もいる。先生によっては第一志望の学校を聞き、そこに入るためにはどんなことが必要かということもきちんと話してくれる方もいる。自分の学校のことを半分くらい、後は受験のための心構えや、第一志望校の良さを客観的に話してくれたうえで、自校のこともさりげなくおさえるように話す、そんな感じだろうか。後で娘に聞くと、やはりそうした説明をしてくれた先生のことが印象に残っているようで、行くならあそこみたいなことをストレートに言っていた。
学校説明一つとってもプレゼン能力みたいなものが必要なんだということがわかる。とはいえ受験生にとっては基本的には選んでもらうのである。翻って娘のプレゼン能力はと考えると、・・・・・・・てな感じである。
そういえば少し前に学校への提出物の中で、自分の長所を書けみたいなところがあり、娘が聞いてきた。
「私の長所ってなんだろう」
「自分で、考えろよ」
「考えても、出てこない。パパ、考えて」
「う〜んと、・・・・・・・・・」
二人して考えるが出てこない。結局、「地味で目立たないタイプですが、割とコツコツ一つのことをやり遂げるほうです」という言葉をひねり出す。ほとんど親の願望に近い。こういう子にプレゼンとかいっても難しいことかもしれない。