ビデオダビングの続き

試みにどんなものをVHSからDVDに焼きなおしたのかを、徒然に書き出してみる。単なる自己満足の所作でしかないことは百も承知。ただし幾ばくかは記録の意味を込めて。まあ人生もそろそろ第4コーナーに差し掛かってくる頃なんだろうし、好きにさせてよみたいな気分か。
1.「LET IT BE」
いわずと知れたビートルズゲットバックセッション他のスタジオライブを収めた記録映画。これが実は正規品としてDVD化されていないのは有名な話。アマゾンとかで手に入るのもあんまり質の良くない海賊版の類だとか。
このビデオはいつ頃録画したものか。ケースの日付は1984年4月14日となっている。TBSの深夜に放映されたものだったように記憶している。ほぼノーカットで途中にインターミッションが入っているのもご愛嬌である。
内容的にはというと、まあ何度も何度も折に触れて観たものである。ビートルズの末期の人間関係、セッションバンドとしての実力というかその片鱗とかにも触れることができる貴重な記録である。願わくば、生きているうちにデジタルマスタリングされた正規版がDVD、ブルーレイとして発売されることを切に望む。「LET IT BE」本編の後に大林の「転校生」が入っているのもご愛嬌である。
2.「サタデー・ナイト・ライブ
かってはこういうビデオソフトも市販化され、レンタルもされていた。懐かしい芸人さんたちのコント集である。この1本にはチェビー・チェイスのものとジョン・ベルーシのものが収録されている。おそらくレンタルで借りてきたものをダビングしたのだと思う。二人とも大好きなコメディアンである。サタデー・ナイト・ライブでは大統領を茶化すのが定番コントとしてあるのだが、ネタにされているのがフォードの親父のほうであるのが時代を感じさせるところだ。
3.「THAT'S DANCING」
「THAT'S ENTERTAIMENT」の三部作の次に製作されたものである。進行役はジーン・ケリー他。70〜80年代までを網羅していて、「サタデー・ナイト・フィーバー」からマイケル・ジャクソンのパフォーマンスなんかも紹介されている。まあある種の補遺版みたいなものなんだろうが、たしかこれだけがDVD化されていないと記憶している。個人的にはこの作品の中でバズビー・バークレーの作品が一番紹介されているところがえらく気に入っている。
4.「いつも心に太陽を
シドニー・ポワチエ主演の大好きな大好きな学園モノである。イギリスの荒れたワーキングクラスのハイスクールに赴任した黒人教師が、不良少年たちを更正させていくお話である。「暴力教室」のイギリス版とでもいえるのかもしれないが、ハートウォーミングなお話だ。ワーキングクラスでドメスティックバイオレンスにさらされて荒んだ少年少女たちを対等な人間として礼節をもって接することで、彼等の心を開かせていく青年教師をポワチエが熱演している。
この映画をたぶん私は中学か高校の頃に一人で劇場で観たんだと思う。それ以来ずっとこの映画のファンである。今でも観ては心和む。この映画の主題歌はルルが歌っている。「TO SIR WITH LOVE」とかいったっけ。これも大好きな曲で、映画を観てすぐにシングルレコードを買った。たぶん探せば今でも出てくるはずだ。
5.「HELP!」
いわずと知れたビートルズの劇場映画2作目。「HARD DAY'S NIGHT」も大好きな作品ではあるが、ギャグの質としてはこっちのほうがその徹底したドタバタの部分が私の好みではある。これはDVD化されているのだが、値段は5000円前後する。だもんでとりあえずはビデオテープ、もしくはそのダビング版で我慢している。
6.「動物と子どもたちの詩」
ボーイズキャンプに参加している落ちこぼれ少年たちが遊戯射撃のために殺されていくバッファローを救出するために立ち上がるが。スタンリー・クレイマー監督によるなんとも切なく、後味の少々悪いシリアスドラマである。カーペンターズの歌う主題曲とともに愛してやまない1作である。
7.「悲愁〜フェドーラ」
名匠ビリー・ワイルダー監督の晩年の作品だったか。老いたウィリアム・ホールデンが老プロデューサー役として狂言回し的に好演している。それだけである種自らの出世作でもある「サンセット大通り」へのオマージュのような雰囲気を漂わせた作品である。ヘンリー・フォンダマイケル・ヨークが本人役で出演している。この作品も今ではDVDで手に入れるのもけっこう難しいようなので(アマゾンでは出品者からの入手となっている)、当分はこのビデオからのダビングしたDVDで楽しむしか手立てはなさそうだ。
画像はもちろんえらく劣化してはいるが、それでもこの映画のもつ雰囲気は十分伝わってくる。これはたぶんレンタルビデオからのダビングだったか。そういえば30代の頃にはビデオレコーダーを2台いっぺんに購入して、せっせとレンタルしてはダビングしてみたいなことをしていたんだっけ。まだコピーガードなんてなかった大変牧歌的な時代。ビデオレンタルが一本500円以上、いや1000円近くした時代ではあった。
しかしビデオに関する思い出話はつきないな。この項はまだまだ続きそうです。