東京国際ブックフェアに行く

毎年、恒例のことだが東京国際ブックフェアに行く。今年で三年連続である。ディープ埼玉の片田舎で職住しているだけに、たまにこうやって人ごみにもまれるのいいものではないか。とにかく本、本、本とまあ、エグルように打つべく本である(なんのこっちゃ)。毎年、ここに来ると元気のある出版社ととりあえずお付き合いで出展しているとことか、まあそのへんのことがけっこうクッキリわかってしまったりもする。
世界最大規模と名うった国際電子出版EXPOはというと、なんかあんまり変わり映えしない感じである。どこかの展示スペースに、「電子出版はもうからないとお考えの方へ」みたいなコピーがあったっけ。実際笛吹けど、ちっとも売上に貢献しないのが、ここ2〜3年のebooksの実情ではあるんだが。もう退潮ムードかよみたいな感もないではない。思えば電子出版元年と騒がれたのは2年前だったか。あのときはGoogleが出展したりして、えらく話題になったものだったが。そういやグーグルエディションてどうなってしまったんだろう。最近はとんと聞かないのだが。
電子書籍関連では楽天koboがけっこう人を集めていた。ソニーのリーダースとほとんど変わらない大きさ。7980円という価格はそこそこ売れるかもしれん。触ってみた感想では、手持ちのリーダースよりも若干反応は早そうである。ただし、デバイスはどこまでいってもデバイスである。ようはコンテンツがどこまで広がるかどうかだ。
アマソンのキンドルも間もなく発売となるという。キンドルの発売よりも、amazon.co.jpがどれだけのコンテンツを用意できるか、たぶん今後の電子出版の状況はひとえにそれにかかっているはずだ。まさか5万点とかそういう小規模ということはないだろうとは思うが。もしキンドル発売と同時に50万点くらい一挙に発売開始となると日本の電子書籍市場は大ブレイクするかもしれない。そうなると一気に電子書籍に流れ込む可能性はあるかもしれないな。
音楽業界がCDからネット配信に一気に動いたようなことが本の世界でもいよいよ出てくるかもしれない。いずれにしろ、国際ブックフェアに出て思うことは、そこには出展していないネットの巨人たちの動向に尽きるということ。ようはアマゾン、アップル、そしてグーグル、たぶんそこに行き着くということなんでしょう。
今回のブックフェアで個人的に一番楽しかったのは第一回クリエイターEXPO。小さな机一つのブースにライター、イラストレーター、漫画家、写真家が自らの作品とともに自分たち自身を展示している。その場、商談ならぬお仕事の話が決まることもあるやもしれない。これは中々に興味のある展示出品である。
電子出版による中抜きにより、創作者自らが直接自身を売り込む機会はネットだけでなく、こうしたリアルな場でも頻繁に行われることになるのかもしれない。さらにはネットやデバイスを通じて、作品の流通もこれまで以上に直裁になっていく。このクリエイターEXPOは、ひょっとすると今後のブックフェアの主流に躍り出る可能性もあるのではないかと、なんとなくひそかに思ったりもしている。